2006年12月29日

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『迷いと決断』3

出井 伸之著 2006年12月20日発行 735円

迷いと決断

著者は2005年まで10年にわたりソニーのCEOを務めておられました。タイトルは『迷いと決断』となっていますが、本書を読むと『決断と迷い』のほうがふさわしいタイトルなのではないかと思ってしまいます。

ここ10年間のソニーの株価の推移を見ると、ITバブルの時以外は低迷しているといってよい状態です。本書を読むと著者が全身全霊を尽くして経営に当たっていた様子がうかがわれます。海外出張の時など時差を調整するために、睡眠薬などを用いていたというエピソードなどからも、激務の程度がわかります。

低迷の原因として、時代状況が悪かった、10人以上飛び越してのCEO就任だった、創業者以外からの初めてのCEOだった、技術畑出身でなかったなどいろいろな理由が考えられますが、医者による病気の治療がうまくいかなかった時と同じで、経営者の実力は結局は結果で判断されてしまう厳しい世界です。

エピソードとして興味深かったのは、ビル・ゲイツが20代だった頃の著者との会話です。

ゲイツ:「ミスター・イデイ、教えてほしい。ママが僕の会社を上場させようと言うんだよ。これ、どういう意味?」

著者:「もう少し金持ちになる、という意味じゃないの」

ゲイツ:「なるほどね」

著者がまじめに返答していたのかどうかは不明ですが、みなさんだったらどう答えるでしょうか?

本書からは、著者の立場で結局どうすればソニーの低迷を改善できたかということはわかりません。わかるくらいならば実行されているでしょうから、その答えが書かれていないのも無理がないかもしれません。

意図的に書かれていないのかもしれませんが、全体を通して自己の内面的な洞察が読み取れない本でした。



investmentbooks at 22:11│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--経営者 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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