2007年01月30日

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『客が客を呼ぶ「集団感染」のスゴイ仕掛け』4

プロフェッサー杉村&高等マーチャント戦術研究所著

2007年2月2日発行 1400円(税抜き)

客が客を呼ぶ「集団感染」のスゴイ仕掛け―ゼロから売上900億円つくった私の方法論

営業・マーケティングで飛び抜けた業績を上げる方は、何らかのコンプレックスをエネルギーとしている場合が多い印象があるのですが、本書を読む限りにおいても、著者も「国際派エリートとして7年間稼ぎまくった」後、「自尊心すら粉々に打ち砕かれていく日々」を過ごされたそうです。

本書は、その後、「たった一人、あほに徹して、個人向金融商品をほぼゼロから5年間で売上げ917億円と、前代未聞・常識破りの記録を達成した」ノウハウが語られています。

タイトルからもおわかりのように、マーケティングを集団感染にたとえています。商品の本質を心の変化ととらえ、いかに商品を見込み客に見せるか、商品を演出しプロデュースするかから始まり、商品を広める最適なターゲットを探すか、いかに効果的に集団感染菌をばらまくか、効果的な集団感染菌をつくって、培養・自己増殖させるかなど、著者の膨大な数の徹底した試行錯誤を通じて得られた手法が書かれています。

本書はインターネットを通じてのマーケティングについては、著者の力量が大きすぎるためか、あまり重視されていませんが、今の時代にネットをあまり利用していないところに、かえって凄みを感じさせます。

全体を通して感じられるのは、戦闘的なイメージです。戦争が始まった場合は、軍事戦略の目的はただ一つで、いかに戦争に勝つかということですが、本書の場合は、いかに商品を売るかです。

アマゾンのレビューを見ると、すでに集団感染は始まっているようです。このブログもすでに感染してしまっているのでしょうか・・・?



investmentbooks at 23:58│Comments(10)TrackBack(0)clip!本--マーケティング 

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この記事へのコメント

1. Posted by こころ   2007年02月03日 01:33
5 先生のすぐれた視点から書かれた書評はいつも大変参考になります。客が客を呼ぶ集団感染のスゴイ仕掛けを早速読みました。

ものすごい迫力に圧倒されました。確かにこの本はマーケティング面でもダントツにすぐれていると感じました。

が、どうやらそれだけではない。なぜ読後、こんなにこころが高揚するのだろうかと。

それは、作者が、何度も書いている「あほに徹すれば何でもできまんがな」こえだめの中でだえ、みじめさのどん底でさえ笑えるのだというこころのもちかた。

他人からどうみられるか、他人からどう思われるかという、他人のもつ自分自身を写す鏡をぶち壊すのだという点でした。

世間の価値観 既存の権威、世俗の常識を徹底的に破壊し、がんじがらめにされ萎縮しきった自己の解放という あたかも ニーチェに通じる思想を感じました。

2. Posted by bestbook   2007年02月03日 01:58
コメントそしてご評価いただきありがとうございます。

たしかに、この本にはニーチェの本を読んだときのような、独特の高揚感を感じさせるものがあります。おそらく、哲学的なバックグラウンドもある著者ご自身が、ニーチェの影響をかなり受けておられるのではと想像します。

また、マーケティングによりエゴを破壊し超越しておられるような凄みがあります。著者はものを売ることそのものよりも、マーケティングを通じてニーチェがいうところの超人を目指しておられるのではないかと思いました。

3. Posted by プラトン   2007年02月13日 19:00
5 非常に深い本質的な議論ですね。マーケティングを通じての超人への道追求。きっと作者は 900億円売ったからといって、鼻高々にもならず、高ぶらず、カネに全く執着もないのかも知れませんね。きっと、めざしでお茶漬けでもしてるのかも知れません。作者はあとがきで、尋ねていました。はたして傷つくような「こころ」はあるのだろうか、更には「こころ」それ自体が、そもそも、本当に「ある」のだろうかと。本には答えはかかれていませんでしたが。
4. Posted by bestbook   2007年02月15日 00:24
著者が900億円売られたのは、もともとはエゴの苦しみを何とかしたいためではなかったかと思います。しかしながら、売っていくうちに苦しみのもとであると思っていたエゴ(こころ)の存在は実はなかっということに気づかれたのではないでしょうか。

著者にとってマーケティングは結果的にはエゴをなくすための修業であったということになるのではないかと思います。

900億売った後に鼻高々になったり、高ぶったり、お金に執着したりということになると、著者にとってせっかく乗り越えたエゴの苦しみをふたたび生じさせてしまうのではないかと思われます。
5. Posted by ベストセラー先見の明   2007年03月10日 15:01
先生がブログで紹介された客が客を呼ぶ集団感染のスゴイ仕掛けですが、紀伊国屋梅田本店の週間ベストセラー第2位になっていましたよ。先見の明ですね。人より先に良書を紹介いただき感謝。
6. Posted by bestbook   2007年03月10日 21:53
コメントありがとうございます。
魂の入った良書であり、売れているようで嬉しいかぎりです。よい本が売れてたくさんの人が本を読むと、世界が少しでもよくなるように思います。
よい本でも、必ずしも売れずに埋もれてしまう本も多いので、このブログでは少しでも良書を紹介していければと考えています。
7. Posted by 鏡をぶっこわしたい   2007年03月24日 09:25
5
いつもブログ参考にしています。でもすごいスピードで読まれるんですね。しかも 良書がおおいのに驚きです。

この集団感染のスゴイ仕掛けですが、3月18日、産経新聞記事の書評 IZAに紹介されていました。

マスコミもまた、他人の評価、「鏡」を見ながら・・記事をつくるのものなのですね。この著者が書いていたとおり、ほとんどのものが価値判断ができないのですね。今後とも先生は価値判断をどんどんして良書を率先してご紹介ください。
8. Posted by bestbook   2007年03月24日 22:05
ブログをいつも読んでいただきありがとうございます。

産経新聞でも紹介されるということは、かなり評判になってきているようですね。最終的にどれくらい売れるか楽しみです。

私も読んだ本の影響を受けていると思います。最終的に自分自身の価値判断であると自信を持って言い切れるものは、一つ一つ考えていくとなくなってしまうかもしれません。

「鏡」がなくなると、どうなるのでしょうか。著者の書かれているような方法が有効なのは、「鏡」があるためかもしれませんね。
9. Posted by 著者の杉村です   2007年11月02日 21:15
拝啓
以前最も的確なご高評をいただきました著者です.今般 ダイヤモンド社から なぜ消防署で住宅ローンがバカ売れするのか?お役所系集団に口コミで売込む方法を刊行いたしました。

前回先生に、ご指摘いただきました実践にともなう、こころの過程、こころのうごき等詳細に書かせていただき、エピローグでは成功の為のこころの突破口を書いております。ご多忙とは存じますが、ご高覧、高評たまわれば幸甚です。
何卒よろしくお願い申し上げます。
10. Posted by bestbook   2007年11月08日 00:43
新著をご紹介いただきありがとうございます。早速紹介させていただきました。

マーケティングのみならず、人生論としても興味深く読ませていただきました。哲学的な思索によるバックグラウンドとエゴを超越した実践がミックスされており、本に迫力が感じられました。

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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