2007年02月01日
『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?~決算書編』
小堺 桂悦郎著 2007年2月12日発行 1400円(税抜き)
なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?~決算書編~誰も教えてくれなかった!裏会計学その2
ベストセラーである前著の続きで、今回は決算書編です。前作をご存じの方は、本書が書店に積んであるのを見るとおやっと思われるかもしれません。参考のため、下にのせておきます。
なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学
色が黄色からピンクに変わり、ベンツの見え方が少し変わっています。書店で今回の続編を見たとき、目を引きつけられてしまいました。前作を知っている人は、一目で続編であるとパターン認識できます。
ピンクは以前は本の表紙にはあまり使われなかった色ですが、最近は潜在意識系の本に盛んに用いられています。現在のところ、マーケティング的にはかなり効果のある色ということでしょう。今後は、多く用いられると効果が少なくなるかもしれませんが、今のところは効果のある色です。
ちなみに、前著に便乗していると思われる、以下のような本もあります。
日本一わかりやすい「ムーブ!の疑問」の大発見 社長のベンツは本当に4ドアなのか? 知らなかった!世の中のカラクリ
著者は違う方です。内容も純粋な会計の本ではありません。ちょっと笑えます。
最近は本のタイトルのキャッチコピー化が目立つようになりました。とくに、ビジネス書、新書で顕著です。本も商品であることを考えると、タイトルのキャッチコピー化は時代の流れでしょうか。装丁もここ数年で、とりあえず手にとって見たくなるようなものが多くなってきていると思います。おそらく、インターネットに応用されているマーケティングの手法が、以前よりあるメディアの書籍に、逆利用されているのではないかと思われます。
雑談が長くなってしまいました。もともと著者は、『借金バンザイ!』、『粉飾バンザイ!』、『税金バンザイ!』などの本で、コツコツとヒットを飛ばしておられました。それが、前回の『なぜ、社長のベンツは・・・』でホームランとなりました。
じつは、黄色い表紙の前作を読んだときには、内容としてはよくできているとは思うのですが、ここまで売れるとは思っていませんでした。たしかに、わかりにくいところをわかりやすく解説されているのですが、類書と比べて内容が傑出しているというわけではありません。売れた理由は、タイトル、装丁、わかりやすさなどがバランスよく組み合わさったためでしょう。
今回も、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの重要であるにもかかわらず、わかりにくい部分である、減価償却費、棚卸資産、粉飾の手法について焦点を絞ってわかりやすく解説されています。焦点をかなり絞ってあるため、本書を読むときは、決算書についての一般的な本に目を通したあとの方がよいと思います。
決算書については本がたくさん出ており、なにか難しいもののように思われていることもあるようです。実際に、中小企業の社長さんなどで、拒否反応を起こされる方もいるようです。
たしかに決算書は、会計士や税理士などの専門職があるように、細かいところまで正しく作成するのは高度な専門的知識が必要であると思うのですが、株式投資のためや取引先のものを読んだりするのであれば、そんなには難しくないのではないかと思います。基本的には足し算と引き算の世界です。
決算書は難しいというより、取っつきにくいといった方が正しいかもしれません。用語や概念に対する慣れができるまでは、ある程度の辛抱が必要かもしれません。私も決算書の本を初めて読んだときは、わからない言葉の連続で辟易してしまいましたが、5冊、10冊、20冊と読んでいくうちにだんだんと慣れてきました。気がついてみたら、ある程度わかるようになっていたという感じです。
あきらめずに何度も何度も繰り返し時間をかけて読めば、かならず理解できると思います。一度理解してしまえば、一生使える知識です。そのような意味でも、決算書は語学と似ているかもしれません。習うより慣れろですね。
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この記事へのコメント
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好評です。
これからもよろしくお願いします。