2007年02月18日
『鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理』
キャメル ヤマモト著 2007年2月21日発行 680円(税抜き)
ベストセラー『稼ぐ人、安い人、余る人―仕事で幸せになる』などの著作があるキャメル・ヤマモト氏の本です。昔は外務省でアラブ関係の外交官で、現在は国際的な人材マネジメントのコンサルティングをされているようです。
本書は氏の豊富な体験から、アメリカ人、中国人、日本人の行動様式、お金との関わり方、キャリア観、組織での行動原理などについて具体例を挙げつつ、三者ほぼ対等に描かれています。
中国人に関しては、本ブログでも2日前に紹介したジェームズ・マクレガーの本が引用されていました。本書の執筆中はまだ日本語訳が出ていなかったためか、原題の『One Billion Customers: Lessons from the Front Lines of Doing Business in China』のタイトルで紹介されています。
いろいろと面白い話が紹介されていますが、例えば、「ユダヤ人と華僑に学ぶ子育ての3ポイント」として
- 勉強を大事にする
- 主流ばかりでなく傍流も狙う
- お金と本気でつきあう
などがありました。2番目と3番目はとくに日本人には不足している点です。
また、値引きガイドとして
- 相場をつかむ
- まず単品で買い、後で多く買って値引く
- 値引けたらチップをはずむ
- できれば交渉しない関係を作る
などがあります。関西以外では、最終消費者は価格交渉はしないことが多いですね。
著者も認めていますが、各国の国民性が全体的にステレオタイプ化されています。ビジネスでの視点で書かれているということもあるかもしれません。物事を理解するときに標準化して、それを中心に実際の現場で修正していくというのは有力な方法であるので、本書の書き方はわかりやすくする一つの手法であると思います。