2007年03月15日

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『リクルートのDNA』5

江副 浩正著 2007年3月10日発行 686円(税抜き)

リクルートのDNA―起業家精神とは何か

リクルートの創業者である江副浩正さんが書かれた本です。江副さんというと、20年近く前に世を騒がせたリクルート事件の印象が非常に強く、私の年代では、その頃は社会的なことがよくわからなかったため、世間がどうして大騒ぎしているのかわからなかったけれどもしっかり名前だけは記憶に残っている方です。

リクルートが創業したのは1960年なので、すでに設立から50年近く経ちます。一時期バブル期の過大な借金で苦しんだようですが、現在は企業としては完全に復活しています。『R25』を街のあちこちで目にしますが、積まれてからすぐになくなっています。

本書は、著者がリクルートを発展させる時に考え実践することによって身につけられた、数々の現場に即した知恵がちりばめられており、普遍性があるため現在でも十分に参考になる内容です。著者の経営理念とモットーを紹介すると、

  1. 誰もしていないことをする主義
  2. わからないことはお客様に聞く主義
  3. ナンバーワン主義
  4. 社員皆経営者主義
  5. 社員皆株主
  6. 健全な赤字事業を持つ
  7. 少数精鋭主義
  8. 自己管理を大切に
  9. 自分のために学び働く
  10. マナーとモラルを大切にする

などがあります。

5の「社員皆株主」はリスクヘッジの点からはあまりよくないかもしれませんが、さすがに社内から数々の起業家・企画家などを生み出した社風だけのことはあります。総じてリクルート出身の方が書かれた本は面白い本が多いですね。

本だけの感想ですが、著者から受ける経営者としての印象は、『千円札は拾うな。』の著者であるワイキューブ社長の安田佳生さんから受けるものと似ています。なるべく社員が働きやすい企業環境を用意することが社長の仕事であるという方針に徹しています。

本書では、松下、ホンダ、ソニー、京セラ、セブンイレブン、森ビル、ソフトバンクの経営者との個人的なつきあいによるエピソードも出てきますが、話として興味深く読めました。

また、成功する起業家20ヶ条などもあります。リクルートが企業としてどのように発展したかということについても詳しく書かれており、著者は時代の流れを読み、うまく乗ることのできた、経営者としてきわめて優秀な方であったと思われます。

リクルートが発展するにおいて、新聞社などの広告業務とバッティングするところがあり、新聞社などにあまりよく思われていなかったかもしれないという話がさりげなくさらりと出てきましたが、ひょっとすると著者がさりげなくどうしても書いておきたかったところかもしれません。

本書は企業や会社経営に関わる方であれば、得られるところが大きい本であると思います。



investmentbooks at 23:57│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--経営者 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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