2007年03月26日
『成功の公式』
マーク・ジョイナー著 早野 依子訳
2007年3月5日発行 1300円(税抜き)
タイトルからは内容がはっきりしませんが、いかにして売るかということをテーマにしたマーケティングの本です。
「成功の公式」は3つのステップからなります。あらゆるマーケティング理論は、煎じ詰めれば以下の3つに集約され、あらゆるビジネスの成功者はこの公式に従っているとのことです。
- 「魅力的な提案(Irresistible Offer)」をする
- 「喉の渇いた群集」にグラスを差し出す
- 「2杯目のグラス」を買わせる
わかりやすくまとめると、「数多くの人に欲しいものを継続的に買ってもらう」ということですね。
きわめてシンプルな3つのステップですが、3つのうちいちばん難しいのはどれでしょうか?
答えは1です。2と3の具体的な方法については、本書にもありますが、人間の心理を利用したテクニカルな方法がほぼ確立されてます。本書を読んで最も役に立つのは、よい商品やサービスあるいはアイディアを持っていながら、効率的に売る方法を知らない方です。
本書の主張したい内容はシンプルなので、原理原則について述べられているページは少なく、ほとんどが、著者の簡単な解説の後、多くの成功者たち本人による解説でしめられています。本書の内容自体は、かなり前から日本でもダイレクトレスポンスマーケティングとして紹介されています。
ダイレクトレスポンスマーケティングはマーケティング関係の本を読む人の間ではかなり広まっており、現在はこの方法を使ってものを売っている人と使わずに売っている人の差がかなりある状態だと思います。この方法は、とくにインターネットとの相性がよいので、知らないとスタート時点からかなりのハンデを背負うことになります。
舞台裏を知ってしまうと、人間心理を利用してお金を集めているようで、少々ズルいと思われる方もいるかもしれません。しかしながら、買う方から見ると、洗練されているだけに、売るもの自体がよければ満足度も高いことでしょう。
心理テクニックについては、人と接するときも同じかもしれません。心理テクニックを用いて人と接することについて抵抗ある方もいるかもしれませんが、相手の立場からするとテクニックを使った方がよいことがほとんどです。とくに男女では自然にはなかなか相手を理解できないので、必要なことが多いですね。テクニックを使うのも愛でしょうか。