2007年03月27日

この記事をクリップ! Yahoo!ブックマークに登録 このエントリーを含むはてなブックマーク

『吉野家 安部修仁 逆境の経営学』4

戸田 顕司著 2007年3月12日発行 1500円(税抜き)

吉野家安部修仁逆境の経営学

著者は日経ビジネスの記者です。本書は、吉野家ディー・アンド・シーの社長である安部修仁氏へのインタビューをもとに書かれています。

安部修仁氏はアルバイトから社長になられており、一部上場企業としてはユニークな経歴をお持ちです。過去に伊藤元重氏との対談として『吉野家の経済学』があり、日経ビジネス人文庫で手軽に読めます。現場に即した話が多く、本書はそちらを読んでからの方がより興味深く読めます。

本書は、ここ数年のBSE問題によるアメリカ産牛肉の輸入禁止を、吉野家がどのように乗り切ったかというテーマを中心として、安部氏の経営哲学が語られています。

個人的に一番参考になったのは、リスクヘッジの話です。吉野家は牛丼以外のメニューはなく、品数を分散することによってはリスクヘッジをしていません。よく批判される点のようです。

本書によると、逆にメニューを牛丼一本に絞ることにより、一般的な外食産業に比べて、売上げと営業利益率を挙げ、キャッシュを蓄積することにより、リスクヘッジをしているとのことです。時間の次元を含めてのリスクヘッジということです。

はからずも今回のBSE騒動で、その方針の有効性が証明されたようです。BSE騒動経過中、吉野家の株価については注目していたのですが、あまり下がりませんでした。吉野家のブランドはもちろんですが、手元にキャッシュがあることについても市場が評価していたのでしょう。

逆に考えると、事業が集中している会社について評価する場合には、不測の事態に備えて安全性を重視した方がよいということでしょう。キャッシュリッチな企業については、資産を有効活用していないのではないかとの批判があり、しばしば買収の標的にされることがありますが、吉野家のような意味でキャッシュ保有している場合は、それなりに意味があるということがわかります。

吉野家に限らず、ある会社についての経営の本を読むと、興味を持ってその会社の店に行ったり商品を利用したりできます。



investmentbooks at 23:17│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--経営者 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
プロフィール
bestbook
家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
ブックマークに登録
このブログをソーシャルブックマークに登録
このブログのはてなブックマーク数
アマゾン検索
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ