2007年04月01日
『心を開かせる技術』
本橋 信宏著 2007年3月20日発行 720円(税抜き)
幻冬舎新書の最新刊です。本書は、著者の政治家、官僚、風俗関係者、会社経営者などさまざまな人へのインタビュー経験をもとに、いかにして話を聞き出すかについて書かれています。
テクニック的なことも書かれているのですが、最後に著者も書かれているように、最も大切なのは「心から相手を理解しようとする情熱」です。やはり、これが人間関係の基本のようです。テクニックは有用ですが、根本に相手に対する共感がないと長続きしません。
本書はエピソードを集めているところに読みごたえを感じます。心構え自体がテクニックになっています。
本書は幻冬舎から出版されています。幻冬舎という会社は面白い出版社です。いままでアンダーグラウンドであった世界を本として開拓しています。アンダーグラウンドにいながら文才がある人を発掘する力量が社長や編集者にあるのでしょう。魂が入っている本が多いように思います。しかしながら、不思議と歴史に残るのではないかと思われる本は少ないように感じます。
今は桜の季節ですが、幻冬舎の本はすぐに散る桜の花のようです。執着心を感じさせず、内容に潔さがあります。