2007年04月04日

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『買収されるのも悪くない。』4

北村 慶著 2007年4月9日発行 1500円(税抜き)

買収されるのも悪くない。

外資ファンド 利回り20%超のからくり』や『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』などの著作がある北村慶さん最新作です。ファンド資本主義をわかりやすく解説している本を次々と出版されています。

本書は、今年の5月から解禁される三角合併を見据えた内容になっています。三角合併というと、欧米の企業に合併されるのではないかとの印象があるのですが、本書にもあるように、ブラジル・ロシア・インド・中国などの企業に買われる可能性も十分にあります。

本書によると、日本は諸外国に比べて「外資による買収」に対する規制がもっとも緩く、国益を損なうようなM&Aに対する法律規制の不十分さに警鐘を鳴らしています。今後、具体的な買収案が出現してから、あわてて検討されるのではないでしょうか。

本書を読むと、M&Aが活発になることによって富を増すのは、投資銀行、コンサルタント会社、会計士、弁護士、株式を所有している人や法人ということがわかります。M&Aによる企業の経営効率化で、日本経済も活性化しそうですが、企業に雇用される従業員にはあまりお金が回ってきそうにありません。(企業経営が効率化される過程において一部のプロフェッショナル的なビジネスマンには大きなお金が落ちるでしょうが)

「レコフのM&Aレシオ」やMBOにおける「ENVYレシオ」など、今後さらに話題になりそうな指標についても解説されており、興味深く読めました。

最近の日本市場は嵐の前の静けさのように感じます。



investmentbooks at 23:52│Comments(2)TrackBack(0)clip!本--日本経済 

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この記事へのコメント

1. Posted by 北村慶   2007年05月07日 21:53
『買収されるのも悪くない――三角合併解禁の本当の意味』の著者の北村慶です。
拙書についての書評およびブログへのトラックバック、ありがとうございました。
それにしても医師というお仕事の傍ら、たくさんの本を読んでいらっしゃるのですね。
敬服します。
今後とも、忌憚ないご意見などお聞かせいただければ、幸甚に存じます。
取り急ぎ、御礼まで。
2. Posted by bestbook   2007年05月08日 21:19
著者ご本人からコメントいただきありがとう
ございます。本書より以前にお書きになった

『外資ファンド 利回り20%超のからくり』
『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』
『投資ファンドとは何か』

などの本も読んで、勉強させていただきました。
このブログを始める前に読んだため、残念ながら、
ブログでは紹介していませんが、いずれも読みやすく
ためになる本でした。

今後も、日本人の金融リテラシーを高める本を
楽しみにしています。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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