2007年05月08日
『人生と投資で成功するために 娘に贈る12の言葉』
ジム・ロジャーズ著 林 康史監訳
2007年4月27日発行 1200円(税抜き)
バイクでやベンツで世界中を旅した国際投資家ジム・ロジャーズの最新刊です。『MONEY Japan』誌に約1年にわたって掲載された内容をまとめたものです。若い奥さんとの旅行の様子については、ご本人のページで豊富な写真とともに解説されています。
本書は、ジムが60歳を過ぎてからできた娘さん(投資で忙しく子供を持つ暇もなかったようです)に向けて、人生と投資についてやさしく書き綴るというスタイルを取っています。今までの本と比べると、投資の専門的な知識をほとんど必要としない内容になっており、気軽に読めます。
全体を通して、娘さんに対する愛情があふれている印象があり、世界的な投資家が自分の子供に本当に伝えておきたいことがよくわかります。
本書の12の言葉の内容をさらにまとめると、
- みんなのいうことを鵜呑みにせず、体験し、自分の頭で考える
- 大好きなことを一生懸命にやる
- 自分自身、歴史を知る
- 変化の流れに乗る
- 21世紀は中国の時代
となり、今までの著書に書かれて投資哲学などが、簡潔にまとめられています。
すべての章が、「愛する娘よ 人生と投資で成功するために、君に伝えておきたいことがある。」という書き出しで始まります。「21世紀は中国の時代」というだけあり、娘の名前はルールーという中国式の名前を付け、ベビーシッターの中国人には中国語だけで話しかけさせているそうです。
日本にもたびたび来日しており、何回か講演を聴きに行きましたが、本書にあるような内容を話していました。今のところは、以前に予想については、ほぼ当たっているように思います。
日本については、中期的には買いとのことですが、少子高齢化のため長期的には弱気です。今後中国株が何らかの理由で暴落したときは、買いとのことでした。BRICsについては、中国、ブラジルには強気ですが、インド、ロシアには弱気です。
過去に出版されている本を紹介します。まず、文庫で読めるものが以下の2冊です。
文庫ではありませんが、ここ数年の商品相場の長期にわたる上昇トレンドについて、分析・予想した本については、以下のものがあります。
いずれも本格的に投資を行うのであれば、得るところの大きい本です。必読とも言えるかもしれません。自分の足で調べて、自分の頭で考えたことがまとめられており、非常に勉強になる内容です。