2007年05月17日
『社長、狙ってるお客さん違っていませんか?』
長谷部 光重著 2007年6月20日発行 1300円(税抜き)
著者は、秋田で開業されている、税理士・経営コンサルタントです。医院開業経営サポートを得意とされているようです。Viewシステム会という会を主催されており、1500以上の医院開業に携われたとのことです。
そのため、本書ではときおり医院経営についての話が出てきますが、メインのテーマではありません。私も医療業界で働いていますが、実際の仕事で直接参考にしようと考えて本書を購入したわけではなく、あくまで一般の経営やマーケティングの勉強のため本書を読みました。
本書の対象はタイトルからも想像がつくように、中小企業の経営者です。他と差別化するためには、経営やマーケティングについて一歩踏み込む必要がありますが、本書では、その一歩についてさまざまな角度から書かれています。
秋田は景気が悪いらしいのですが、おそらく著者が顧問をされている地元の企業を具体例を挙げて、いかに工夫をして生き残っていくかということについて、書かれています。本書は特に地方の方が読まれるとより役に立つと思います。私も昨年の秋に旅行で青森や秋田に行ったのですが、確かに両都市ともあまり景気が良さそうではありませんでした。
おもしろかったテーマを拾ってみると
- 市場で望まれる数字から1台引いたものが、フェラーリの限定車の適切な数字
- 東京以外はみな地方である
- 立地は変化する
- ドライバーの心理を理解する
- 団塊世代の定年後は50%の人が下流意識を持っている
- 夢は見るものではなく、描くものである
などです。ドライバーの心理うんぬんは地方が車社会のためのようです。
中小企業にとって重要な減価償却についての解説もありますが、これについては、岡本史郎さんの以下の本の方が分かりやすいように思います。
本書の読みどころは、あくまでマーケティングの具体例です。