2007年05月29日

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『仕事とセックスのあいだ 』4

玄田 有史/斎藤 珠里著  2007年1月30日発行 700円(税抜き)

仕事とセックスのあいだ

ニートなどに関する労働経済学の著作で有名な玄田有史氏と、雑誌『アエラ』の編集などをされていた斎藤珠里さんの共著です。斎藤さんは現在フランスでセックスとメディアの研究をされているそうです。

本書は、アエラが2005年に20代から50代の既婚者あるいは同居者がいる男女800名に対してインターネットで行った「労働とセックスに関する調査」をまとめたものです。データの解析結果について書かれていましたが、意外に読みやすい本でした。

日本は世界でも注目されるセックスレス大国であり、年間の平均セックス回数は46回で、41ヶ国中最下位です。ちなみにトップは、年にもよりますが、フランスやギリシャです。著者の一人がフランスに留学中であり、フランスの実状についても具体的に書かれています。

本書では、どのような労働上の要因が現在の事態を招いているかなどについて分析されています。仕事上で挫折したことや、職場の雰囲気の悪さとセックスレスが関係があるということです。

収入については、高すぎても低すぎてもセックスレスの割合が大きくなります。とくに低いとその傾向が顕著です。ちなみに、不倫に関しては、年収が上がれば上がるほど増えるようです。

著者が負け犬になりかけた体験についても書かれており、女性にとって仕事か家庭かの二択ではなく、いずれも可能な社会になることが今後重要であると述べています。

タイトルの「仕事とセックスのあいだ」ですが、「あいだ」には「遊び」があるとよいと著者の一人である玄田氏は主張されています。確かにセックス大国であるギリシャなどでは、夜の雰囲気もムードがあり、夜の時間もかなり長い印象があります。普通の飲食店も12時くらいまでやっていたように思います。

日本も夜は長いかもしれませんが、「遊び」ではなく、残業や仕事の延長である「つきあい」が多く、「あいだ」があまりないように思います。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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