2007年06月03日
『資本開国論』
野口 悠紀雄著 2007年5月31日発行 1800円(税抜き)
野口悠紀雄氏の新刊です。今まで部分的に書かれていたことが、体系立てて1冊の本にまとめられています。経済理論を駆使して論理的に書かれていますが、要点をかなり端折ってまとめると以下のようになります。
- 格差問題の原因はグローバリゼーションによる世界的な賃金の平準化
- 金融緩和・円安政策を続けても日本経済は回復しない
- 資本開国をおこない、産業構造を効率化する必要がある
- 日本は資産大国なので、資産の運用効率を上げるのがよい
財政赤字以外にも、年金の不足額が800兆円程度あるということです。企業で考えると、SPCによる負債の「とばし」と本質的には同じであるという印象を受けます。
他にも、法人税の減税は企業の投資を増やさず経営者や株主に富を移転させ格差を拡大させる、財政の再建には税制の改革が必要である、出生率を上げることは労働・年金問題の改善にはつながらない、小泉改革は古いタイプの産業を温存したなどの話があります。
要は、日本ではさまざまな点で効率化が必要とされているということです。
読んでいるうちに脳みそが汗をかいてしまいますが、噛みごたえのあるスルメを食べたような読後感がある本でした。









