2007年06月19日

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『21世紀の国富論』5

原 丈人著  2007年6月20日 1470円(税込み)

21世紀の国富論

著者は考古学研究を志してアメリカに渡ったそうですが、その後、彼の地で光ファイバーのディスプレイメーカーを創業、会社を売却後、ベンチャーキャピタリストとして90年代に数多くの企業を成功に導かれたそうです。

現在はデフタ・パートナーズという事業持株会社で会長職にあり、ポストコンピューター時代の新産業を先導されているということです。

本書において、もっとも著者が書きたかったところは、著者の提唱されるPUC(Pervasive Ubiquitous Communications)のようです。PUCとは、使っていることを感じさせず(パーベイシブ)、どこにでも遍在し(ユビキタス)利用できるコミュニケーション機能ということのようです。

今までは人が機械に合わせていましたが、PUCでは機械が人に合わせてくれるため、使っているということを感じさせないとのことです。著者の持ち株会社は、1996年からPUCに特化した投資を行っているとのことです。

PUCがハードとしてはどのような形になるかはまだわからないそうですが、ソフトとハードが一体化することが特徴のようです。いままではソフトとハードを分離して、ソフトはアメリカで、ハードは途上国でということが世界の流れになっていましたが、その考え方も転換する必要があるということです。

著者の考えでは、日本がPUCをリードする可能性があるいうことで、著者はそうなることを目標に活動されているようです。本書の出版もその一環であると思われます。

ベンチャーキャピタル業界が長いだけに、具体的なファイナンスやガバナンスについて、理想的なあり方を提唱されています。ベンチャーや企業のあり方として、新しい革新的な価値を創造することをきわめて重視されています。

アメリカの会計などのあり方についての批判などもありますが、アメリカのベンチャー企業の中枢で働いていただけあり、説得性があります。お金持ちになったら幸せになれるという、アメリカンドリーム流の「幸福の定義」についても問題があるとのことです。著者は、職業柄数百人単位で億万長者を見てきたそうですが、100億円以上のお金をつくった人の中で本当の意味で幸せになった人はほとんどいないそうです。

今後の、日本のあり方についても具体的に数多くの提言があります。政府に関係した多くの委員もされているようで、日本の将来もまだまだ捨てたものではないと思わせます。

著者の考えているように時代が流れるかどうかはわかりませんが、これからの日本における投資の本質的な意味について考えたい方には、興味深く参考になる本であると思います。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
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