2007年08月05日
『宋文洲の単刀直入―平成日本を斬る! 』
宋 文州著 2007年8月1日 680円(税込)
日経ビジネス人文庫の最新刊です。NIKKEI NETのIT PLUSで連載されていたコラムが書籍化されたものです。著者はソフトブレーン創業者の宋文州氏です。
外国人でありながらも、創業した企業を東証一部上場にまで持ってゆくほど日本社会との関わりが深く、オリジナルな視点から日本社会について論じています。寿司のネタから村上ファンドまで、テーマは多岐にわたります。
自分の頭を使って書かれたコラムが並んでいます。優秀な経営者に見られる、ある種の合理性が全体に貫かれています。日本社会が異文化の影響を内部から受けると問題点があぶり出されて、発展につながるということがよく分かります。
もちろん外国の考え方がすべて正しいというわけではありませんが、違う視点から刺激を受けて、活性化するところに意味があります。今までの歴史を振り返ってみても、日本が大きく発展したのは外国からの影響を強く受けたときでした。
著者は、自ら創業した企業を一部上場させた後に退任されました。文章からも、物事に執着しない潔さが感じられます。