2007年10月02日
『儲かる会社の社長の条件』
小山 昇/岡本 吏郎著 2007年10月10日発行 1470円(税込)
中小企業の経営についてはカリスマ的な存在であるお二人の対談です。対談といっても、一人一人の話がひとまとまりになって1〜2ページずつ交互に出てくる形式になっています。
自由に語り合われていますが、いろいろと示唆に富む話が出てきます。お二人に共通するのは、現実主義であることと柔軟さがあるところです。
それぞれのお話で役立ちそうな見出しを書きます。
小山氏
- 既存のものはいつか必ずダメになる
- 経営とはバランスを崩すことである
- 社長だけが勉強している会社はダメ
- 増収増益になっても経営の苦しさは変わらない
- ビジネスは最高に面白くてしびれる博打だ
- 社長の仕事は「決定」と社員教育
- 相手が気づくように誘導していくのがコツ
- 良いことは強制しなければ身に付かない
岡本氏
- 儲かる会社にしたいなら経営者は「楽」を知らない方がいい
- 「それしか選択肢がない」のは「決断」とは呼ばない
- 「事業を二倍、三倍にする」という考えがとても大事
- いいものは高くしないと売れないもの
- 社長にはどん底に落ちた経験が必要
- 資金は貸してくれるうちにできるだけ借りておく
- へそ曲がりの経営者しか儲けられない
- 変化できる人は世の中の二割しかいない
一般的な常識とは異なる話も多く出てきますが、刺激になります。興味を覚えた方は、それぞれの著者の単著を読まれるのをおすすめします。とくに岡本氏の税金や経営の本は参考になります。
本書のような話に多く接すると、考え方に柔軟性が出てきます。中小企業の多くの問題点は、経営者が時代に応じて考え方を変えられないことによります。人間なかなか変化するのが難しいことを思うと、中小企業の業績の回復が十分でないのは、人間の本性に根ざした非常に根の深い問題といえるでしょう。たんなる景気の問題ではありません。