2007年11月30日

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『金融機関のカモにならない! おカネの練習問題50』4

吉本 佳生著  2007年11月30日発行  1260円(税込)

金融機関のカモにならない! おカネの練習問題50

スタバではグランデを買え! 』の著者による新刊です。一問一答形式のテーマで50問。金利、確率論、リスクを中心としたファイナンス理論、金融商品の仕組みや経済の論理がテーマとなっています。内容は初級者〜中級者向けです。

資産運用にはリスクが伴うので損をしてしまうことはありますが、損にも2種類あります。リスクに応じて必然的に発生するものと、知識がないことにより搾取されるものです。

前者は完全に無くしてしまうことができませんし、無くす必要もありません。しかしながら後者は知識によって少なくすることができ、そのことが本書のテーマです。



資本主義は知識がないものから知識があるものにお金が流れる傾向にありますが、とくに金融についてはその傾向が強いようです。金融機関の利益の源泉は顧客の知識の欠如に基づくものもあり、そこのところについては情報をわかりやすくは与えてくれないことがあり、最終的には自分で防衛するしかありません。

一番基本的な防衛策としては、「わからないものには手を出さない」ということがあります。これは常に成り立つと思います。「わからない」ということは、その金融商品の仕組みがわからないということです。バフェットですらこの原則を守っています。

日本人の金融資産は現在も預貯金の比率が高いですが、このように考えると合理的な選択なのかもしれません。

知識がないと金融商品で搾取されるという問題は、一人一人の金融リテラシーを上げることでしか最終的には解決できないと思います。確率や統計が出てくるとそれなりに難しくなるので、すべての人が自力で理解するということは厳しいかもしれません。ある程度は、高校くらいの段階で教えられてもよいのかもしれないとも思います。

細かい点で理解できないとしても心得ておいた方がよいと思われる原則は、上にも少し書きましたが、

  • わからないものには手を出さない
  • おいしい話はない
  • 相手から売り込むものは要注意
  • みなが買っているからという理由で買わない
  • 人任せにしない

などであると思います。

それにしても厳しい時代になりました。一世代前であれば、銀行や郵便局に預けておきさえすればよかったのですが、現在は預金では利子が低いので、少しでも効率よく資産運用するつもりであれば、金融商品に関わらざるを得ません。そこにはさまざまな落とし穴が待ち受けています。

難易度に差はありますが、著者の過去に書かれたものは、本書に限らず不必要な損をしないために役に立つ内容となっています。本書の最後にもいくつかの良書が挙げられており、参考になると思います。



investmentbooks at 21:59│Comments(4)TrackBack(0)clip!本--ファイナンス理論 

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この記事へのコメント

1. Posted by 光文社・福本   2007年12月03日 18:12
こんにちは

『金融機関のカモにならない! おカネの練習問題50』
の宣伝を担当している、
光文社宣伝部・福本と申します。

このたびは弊社刊行の書籍を取り上げてくださり
まことにありがとうございます。


さて、
12月7日(予定)で読売新聞大阪版で貴ブログの
コメントを引用させていただきたいと思います。以下

「金融機関の利益の源泉は顧客の知識の欠如に基づくものもあり、そこのところについては情報をわかりやすくは与えてくれないことがあり、最終的には自分で防衛するしかありません。」


引用元は

「精神科医が読み解く、ビジネス・投資・自己成長のヒントになる本」より

とします。


以上よろしくお願いいたします。
2. Posted by bestbook   2007年12月04日 00:45

本ブログへコメントいただきありがとうございます。

引用の件につきましては了解しました。

本書のような本が売れて、日本人の金融リテラシーが少しでも上がるとよいと思います。

今後の売れ行きを楽しみに見守っています。
3. Posted by 光文社・福本   2007年12月05日 16:57
お世話になっています、
光文社宣伝部・福本です。

このたびはコメントの引用にご快諾くださりありがとうございます。

新聞広告の掲載日は12月9日の読売新聞東京・大阪版に決まりました。

さて、事後の報告で申し訳ありませんが、デザインの関係上、文意を変えずにこちらで編集させていただきました。

以下

「金融機関の利益の源泉は顧客の知識の欠如に基づくものもあり、知識がない顧客は搾取されるものです」

となります。

ご迷惑おかけいたしますが、以上よろしくお願いいたします。

4. Posted by bestbook   2007年12月06日 00:36
編集の件については、了解しました。

東京版にも掲載されるとのことで、
当方でも見ることができます。

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プロフィール
bestbook
家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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