2007年12月23日

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『これでわかった!ファイナンス』4

永野 良佑著  2008年1月10日発行  840円(税込)

これでわかった!ファイナンス―お金に関する基礎知識から、最新の金融理論まで (PHPビジネス新書 46)

著者の本は、今年数多く出版されました。アマゾンで検索してみたところ、本書を含めて7冊です。今年度の経済関係の多筆ランキングでは、門倉貴史氏を経済の横綱とすると、著者はファイナンスの横綱でしょう。著者の本は、すべてファイナンス理論を軸として一般向けに平易に解説された本です。

本書のテーマは、金融、金利、債券、決済、キャッシュフロー、企業評価、外国為替、デリバティブ、裁定取引、金融商品など幅広い内容になっています。幅広いテーマを扱っているため、新書ということもあり、それぞれのテーマに深さはありません。深さはありませんが、単に浅いだけでもなく一歩踏み込んでいる部分もあります。



とくに「金利と債券」について書かれているところが、本書の読みどころです。「金利が上がると債券の価格が下がる」ということは、金融についての本を読んだときに、最初に躓きやすいところです。

債券のデュレーション、債券のコンベクシティについても解説されています。デュレーションとは債券価格を利回りで微分したもの、コンベクシティとはデュレーションをさらに利回りで微分したものですが、本書はそれらの概念についてもわかりやすく解説されています。

債券は株式と比べてロジカルに分析しやすいのですが、そのためかえって取っつきにくいのかもしれません。株式も「理論株価」がレポートで出ることがありますが、実際の値はほとんど意味がありません。さまざま仮定をおくことにより導き出されるため、「仮定株価」と呼びたくなります。

本書は単なる入門書と比べて、「ちょっとだけ突っ込んでいる」ところが随所に見られ、そのあたりに著者の持ち味が生きているように思います。本書に述べられているそれぞれの項目を詳しく知るためには、より詳しい本を読む必要がありますが、金融やファイナンスを軽く俯瞰するためには役に立つ本であると思います。



investmentbooks at 23:03│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--ファイナンス理論 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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