2008年01月14日
『外国人投資家の視点』
菊池 正俊著 2008年1月29日発行 1365円(税込)
まだアマゾンでの画像が取得できないようです。著者は外資系証券会社の日本株ストラテジストで、日常的に外国人投資家との接点のある方です。約一年前に、このブログで著者の『外国人投資家』というタイトルで本書とほぼ同じテーマの本を紹介しました。
本書は前著から1年の年月を経ており、記述に過去1年の日本経済や世界経済の変化が反映された内容になっています。
各章の内容は以下の通りです。
- 影響力を増す外国人投資家
- 外国人投資家の日本株投資のテーマ
- 米国と中国の狭間の日本株
- 台頭するアクティビスト・ファンド
- 外国人投資家のM&Aの評価
外国人投資家の日本市場における現状、外国人投資家の投資基準、外国人投資家が現在およびこれからの日本をどのように見ているかなどについて、M&Aや米国や中国との関係性などの視点からも含めて考察されています。
外国人投資家が日本の小売、不動産、銀行、消費者金融、証券、電力、環境関連、食品、商社、製造業などの業界や、中小型株などをどのように見ているかということについても個別に具体的に書かれており、業界の見方について参考になります。
ポイントとしては、株主資本主義における株式会社の経営の合理性や、日本という国がその市場システムや制度をいかにサポートしているかということに、主眼が置かれているようです。
株主にとっていかに合理的に企業経営がなされているかということが重視されるようですが、そのためには外国人以外の株主である、個人、生損保、投信、年金などの投資主体が合理性を理解して重視しないと、企業の経営方針はなかなか変わりません。外国人投資家の日本株保有割合が増えていると言っても、25〜30%程度であり、それ以外の日本人投資家の割合の方がまだまだ大きいからです。
本書を読むとよく分かるのですが、外国人投資家からすると世界各国の株は投資対象としては同じです。日本企業だけが経営の効率化や株主を重視しない状態を続けていると、単に日本株が投資の対象にならないだけです。
外国人投資家の視点と言っても特別なものではなく、つまるところは合理的視点です。株式投資について合理的な考え方を学びたいのであれば、本書は日本株についての外国人投資家の視点を通じて、合理的な株式投資について学べる本になっていると思います。また、ここ数年の日本市場での主だったイベント対する外国人投資家の考えについても知ることができます。
決してエンターテイメント性はありませんが、1年前の前著と同じようにしっかりした内容の本であり、株式投資について本格的に学びたいのであれば、前著と同様に本書もおすすめできる一冊です。








