2008年01月24日
『本は10冊同時に読め!』
成毛 眞著 2008年2月10日発行 560円(税込)
本は10冊同時に読め!―生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである! (知的生きかた文庫 な 36-1)
まだ画像がないようです。著者は元マイクロソフト日本法人社長の成毛眞氏です。今までにもエッセイ風のビジネス書などを書かれていますが、本書は読書家として知られる著者の初めての読書論です。文庫本ですが、書き下ろしになっています。
このブログを読んでいただいている方は、本を読むことに興味がある方が多いと思いますが、本書は本を読むことが好きな方であれば、深く共感できる内容でしょう。
それにしても著者は大量の本を読まれています。手元には1万5千冊、別荘にはその倍の数の本があるそうです。合計4万5千冊となりますが、1日5冊買ったとしても、だいたい25年くらいかかる量です。本の平均単価を1500円と見積もると、合計7000万円弱の計算になります。
大人買いも半端ではなく、書店で100冊くらいの本をまとめ買いするエピソードなどあります。
「同時に10冊〜」というタイトルは、著者の多読ぶりを考えると不思議ではありません。多読であれば、自然に並列的な読書になり、むしろ1冊ずつ読む方が難しい思います。自分も5冊くらいの本は読みかけ中になっており、時間帯や状況に応じて読む本を変えています。例えば、寝る前はなるべく肯定的な内容の本を読むようにしています。
以下のように辛口の主張もあります。
- 本を読まない人間はサルである
- 本嫌いの人とつき合う必要はない
- 「自分の価値」は読書量で決まる
ここまでは思わないのですが、ある程度は共感できます。さらにこんな景気のよい話もあります。
「頭の中に知識を貯金しておけば、いずれ億単位のお金を稼げるようになる。毎年1億円ずつ貯金するのも夢ではない。知識や教養があれば、5億円や10億円を稼ぐのはそれほどむずかしくないのである。」
たしかにどこかで知識や教養によって量を質に転換させないと、億単位のお金を稼ぐのは難しいでしょう。稼いだあとの管理にも知識は必要ということもあります。
著者のおすすめの本も、ビジネスだけでなくさまざまなジャンルからいくつか紹介されています。いろいろな分野の本を読むべきということも著者の主張の一つです。
本書は読書に思い入れのある方であれば、自分との比較の上でも参考になる本です。読書論はその人の人生観が反映されるので、本書は人生論としても読める内容になっています。