2008年02月20日
『相場ローテーションを読んでお金を増やそう』
岡崎 良介著 2008年2月18日発行 1575円（税込）
相場ローテーションを読んでお金を増やそう―次の株高はいつ始まる?
まだ画像が取得できません。過去に個人投資家向けの『フリーランチ投資家になろう!』や『これから10年 長期投資のロードマップ』などの著作のある著者の新刊です。
本書のテーマは、株価、金利、不動産、金や原油などの商品、為替などの価格の変化を循環として捉えることです。日本とアメリカを中心に、過去のデータが分析されています。それらの分析から９つの法則が導かれています。例えば法則�，楼焚爾猟未蠅任后�
「米国REIT指数が高値から１５％以上下落すると、その時点から１年以内に、米国株は高値から２０％以上の下落となる。」
そして法則�△�続きます。
「米国株が２０％以上下落すると、日本株も２０％以上下落する。」
これらのような法則から、２００８年春以降の相場の予測がされているのが本書の一番のウリです。法則を導き出すためのデータとその分析も貴重なまとめとは思いますが、やはりこれからどうなるかという話の方が興味深く読めます。
結論としては、日本株は夏場までには底打ちだそうです。その通りになるかは、相場なので何とも言えないと思いますが、その結論が導かれた思考過程をたどるために本書を読むのがよいのではないかと思います。
２年ほど前に出された『これから10年 長期投資のロードマップ』の修正についても述べられており、著者の誠実さを感じます。はずれたことについては理由なども分析されています。
運用についての著者のルールについても、最後の方で少しですが述べられています。著者は相場の循環に合わせて資産も循環させるという「アセット・ローテーション」という戦略を提唱されています。「アセット・アロケーション」ではなく「アセット・ローテーション」です。
みながこのような戦略と採用すると、循環の幅が小さくなるかもしれませんが、相場の変動には大勢の人の心理も影響しているので、循環そのものが完全になくなることはないでしょう。
本書に書かれているような相場の分析は、おそらく金融機関などで研究されているとは思いますが、利益の源泉となりうるのでなかなか表には出てきにくい内容です。決して読んでいてずっとは面白い本ではありませんが、相場の過去のデータ分析のまとめ本として持っておいてもよいかもしれません。
