2008年03月17日

この記事をクリップ! Yahoo!ブックマークに登録 このエントリーを含むはてなブックマーク

『彼女があのテレビを買ったワケ』5

木田 理恵著  2008年3月10日発行  1500円(税込)

彼女があのテレビを買ったワケ ―― 男がわからなかった 女が商品を選ぶ本当の理由

女性マーケッターである著者が、女性の購買心理についてわかりやすく書いている本です。アマゾンの画像では地味な印象を受けますが、書店の平積みでは、オレンジ色のオビに著者の顔写真が入っているため、華やかな印象を受けます。

本書は著者の初めての著作のようですが、最初の本と思えないくらいよくまとまっています。長年の実務経験に裏打ちされた内容だからでしょう。



書き方に派手さは必ずしもないのですが、男女の買物行動の違いに始まり、消費の時代的背景について、まず述べられています。その後に「女ゴコロをつかむ8つのキーワード」が、以下のように挙げられています。

  1. 幸せ
  2. 育む
  3. 選ぶ
  4. 共感
  5. 誠実
  6. 特別
  7. ご褒美
  8. 学ぶ

それぞれのキーワードは、具体例を挙げて現場での使い方などが解説されています。この8つのキーワードは、女性にものを売るときだけでなく、日常的に接する場合にも意識しておくと、関係がスムーズになると思います。

恋愛においても応用できると思いますが、男性が自分を売り込む要素があると考えると、参考になるのは不思議ではありません。

「女ゴコロをつかんだ注目商品」の例として、ディズニープリンセス、ネピア鼻セレブ、Wii、大地宅配、ABCクッキングスタジオなどが挙げられています。

次に女性へのマーケティングにおける、五感の重要性について述べられています。これについても、男性の立場からは言われないとわかりにくいことです。また、女性にとっては当たり前すぎて意識化できないくらい当然のことなので、このあたりは男女間ですれ違いが生じやすいところです。

最後の数ページの付録として、「デキル女性マーケターになる」「デキル男性マーケターになる」の実践編が、コンパクトにまとめられています。この部分を読むだけでも、本書に目を通す価値があると思います。それぞれ五つずつ書かれていますが、ここではそのうち男性マーケターの三つを書いておきます。

  • 妻、娘、彼女、女友達、女性の同僚、部下、とにかく女性と話をする
  • 女性誌と男性誌を読み比べる
  • 自分の感情や感覚を言葉にする

女性の捉え方そのものを理解することが大事なようです。

本書に述べられていることを簡潔にまとめると、男性にとってポイントなのは女性のものの捉え方に共感できるようにすること、女性にとってポイントなのは女性的な感覚を理論的に表現できるようにすることとなるでしょう。自分の性にとって不得意なことを、意識的に補完して相手を理解・共感するところにポイントがあります。

自分がもともと無意識的にしかできないことを意識的にするのは、精神的なエネルギーが必要なためつらく感じることが多いのですが、そのつらさを乗り越えて相手を理解するところに、相手は「愛」を感じるのかもしれません。モテたり、ものが売れたりするのはその結果に過ぎないのではないでしょうか。



investmentbooks at 23:22│Comments(2)TrackBack(0)clip!本--マーケティング 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by マリンゾウ   2008年03月18日 15:45
消費は確実に女性中心になっていますし、すくなくても「マーケティング」ほとんど女性目線ような気がします。
それが男性目線のガチガチのフレームを急速衰退させている理由かも知れませんね。
2. Posted by bestbook   2008年03月18日 21:43
マリンゾウさん、コメントありがとうございます。

女性があまり稼ぐことができなかった昔から家庭における消費の権限は女性にあることが多かったように思いますが、最近はさらに女性自身が稼ぐようになって、女性の消費における重要性がさらに上がったようです。

もともと女性自身が消費好きなことに加え、男性も好きな女性に消費して喜んでもらうことが喜びであるため、お書きの通り、最近のマーケティングはほとんど女性目線ですね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
プロフィール
bestbook
家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
ブックマークに登録
このブログをソーシャルブックマークに登録
このブログのはてなブックマーク数
アマゾン検索
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ