2008年04月03日
『この人についていきたい、と思わせる21の法則』
ジョン・C・マクスウェル著 弓場 隆訳
2008年2月28日発行 1230円(税込)
この人についていきたい、と思わせる21の法則―成功者に学ぶ人間力の磨き方
タイトルに21という数があるので、ディスカバー・トゥエンティワンから出版されているのかと思いきや、ダイヤモンド社から出ている本でした。『なぜ日本にはいい男がいないのか 21の理由』がディスカバー社から出ていたので、連想してしまいました。
本書は『リーダーシップ 人間力の鉄則』のタイトルで7年前に出版された本が、改題されて再出版されてものです。著者のジョン・C・マックスウェルは自己啓発の著作が数多く、少し前では『その他大勢から抜け出す成功法則』などの本もヒットしました。
本書の原題は『The 21 Indispensable Qualities of a Leader』(リーダーに欠かすことのできない21の資質)です。原書と日本語訳のタイトルから、リーダーについて書かれている本であるということは分かりますが、リーダーに関心がない方でも、一般的な自己啓発書として読める本です。
自己啓発書には大きく分けて、道徳系、宗教系の二種類があります。それぞれ意識系、潜在意識系と言ってもよいでしょう。潜在意識系の代表はなんと言ってもジョセフ・マーフィーの本です。
本書にはそのような話はほとんど出てこないので、意識系の本といえます。潜在意識系の本は面白く思う人と受け入れがたい人の好みが別れるところですが、本書は万人に受け入れられやすい内容です。理性で理解しにくいような話はほとんど出てきません。
本書に書かれている21の事柄を書くと、人格、カリスマ性、不屈の精神、コミュニケーション、能力、勇気、洞察力、集中力、与える力、独創性、聞くこと、情熱、前向きな姿勢、問題解決力、人間関係能力、責任感、心の安定、自己規律、奉仕の精神、学ぶ心、ビジョンとなります。すべて自己啓発でのテーマとなりやすいもので、ほとんどカバーされていると思います。
自己啓発書には意識系、潜在意識系の二つに大きく分けられると書きましたが、実際のテーマはほとんど同じです。潜在意識系では「潜在意識に刻みつける」「神に祈る」などということがよく書かれていますが、それ以外は大きな違いはありません。
潜在意識系の本は理性の範囲を超える概念が出てくるので、人によっては受け入れがたいということはあるのですが、受け入れられる人にとっては面白く読める本が多いと思います。
潜在意識の存在は、受け入れた方が気分的には楽になるということはあるようです。自分でできるだけのことをやってあとはお任せ、「人事を尽くして天命を待つ」ということなので、すべてを自分で背負い込む必要がありません。
おそらく心の健康を保ちやすいのは、潜在意識の存在を受け入れることでしょうが、理性の放棄とも思われるので、受け入れがたい人には理性を否定するような感じがして受け入れがたいでしょう。
潜在意識の存在を受け入れると、原理的には何でもありになってしまいます。目の前にダイヤモンドが出現すると潜在意識で思うとその瞬間にダイヤモンドが目の前に出現する、そんな世界です。そんな世界になってしまうと、理性の存在意義が限りなく小さくなってしまいます。
理性の役割を重視する人にとっては、理性の存在意義が無くなると、自分の存在意義そのものが脅かされるような気がするのも不思議ではありません。
潜在意識の存在を受け入れるということは、「自我の死による恐怖」に結びついているので、一筋縄ではいかない問題です。受け入れられない人に対して説得を試みるのは、高所恐怖症の恐怖を説得して無くしてしまうことが困難であるのと同様の難しさがあります。








