2008年04月20日
『官製不況』
門倉 貴史著 2008年4月20日発行 777円(税込)
門倉貴史氏の新刊です。相変わらずかなりのハイペースで本を出されています。本書では、おもに日本社会における社会・経済問題を、ここ最近鮮明になってきた不況との関係から解説しています。
しばらく前にこのブログで紹介した『行政不況』というタイトルの新書本がありますが、本の主旨としてはほぼ同じであり、最近の日本の不況の原因が政策の稚拙さに由来することを、両者とも具体的に述べています。
「官製不況」という言葉と「行政不況」という言葉はほぼ同じ意味ですが、今のところ言葉としての広まり具合は、「官製不況」の方が頭一つ抜けている印象があります。
不況についてはマイナスのことなので、原因となる何らか対象を作ってを責めたくなりますが、「官製」の方が「行政」より責めるべきイメージが具体化しやすいので、言葉としてより受け入れられているのかもしれません。
本書の各章のタイトルは以下の通りです。
- なぜ日本の株は下がり続けるのか?
- モラルハザードと官製不況
- なぜ「ワーキングプア」が増えるのか?
- なぜ年金財政は破綻寸前なのか?
- サブプライム問題と世界的なカネ余り
各章のタイトルから分かるように、本書が扱っている範囲は官製不況以外にもいくつかあります。
本書では政策の拙さについて具体的に解説されていますが、結局それらの原因は政策に関与する人が最終的な責任を取るシステムになっていないことが一番の原因であると思います。そのシステムを変えない限り、場当たり的に取り繕っても時間が経てば同じことが繰り返されるだけです。
日本の問題ではありませんが、サブプライム問題もそのような要素があります。ローンを証券化するための不動産にしてもサブプライム証券そのものにしても、とにかく売ればよいということがありました。欧米の銀行の何人かのCEOは責任を取って辞任し、責任を取っているように見えますが、サブプライム問題がまだ顕在化せず業績がよかったときには莫大な報酬を受け取っています。また辞任したとしても莫大な退職金もあります。
これから個々の政策の不具合を、現実問題としてどのように修正するかということは重要な問題ですが、それ以上に政策を立案・実行する責任の所在を明確化して自律的に改善するシステムそのものを修正するのはより重要な問題です。
今後の日本が効率よく長期的発展を続けるかどうかは、それができるかどうかにかかっているのではないでしょうか。それができれば日本の株価は長期の上昇トレンドを描き、できなければボックス圏での上下を繰り返すため、日本株投資の視点も違ってくると思います。
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この記事へのコメント
「官製不況」は読みました。
読書時間4時間です。
休憩を入れると5時間以上。
読書スピード遅いですかね。
bestbookさんは何時間くらいで読みました?この本。
本書はスキマ時間で小刻みにして読んだので、どれくらいかかったかは正確にはわかりません。
KTさんとあまり変わらないと思いますが、著者の本は過去に数多く読んでいるので、その分だけ時間がかかっていないかもしれません。
どれくらい時間がかかるかは、読み方にもよると思います。









