2008年04月28日
『人の上に立つ超脳力』
前田 雄吉/苫米地 英人著 2008年4月28日発行 1575円(税込)
脳機能学者の苫米地英人氏と衆議院議員の前田雄吉氏の共著です。ビジネスリーダーに必要とされる10の条件について、二人のうちのお一人が、一つの条件につき短い提唱をした後、その条件について対談をするという形式になっています。
本の主題の条件と条件のあいだにも、主にIT技術についての対談コラムがはさまれており、読んでいて飽きにくい構成になっています。本書のメインテーマである、ビジネスリーダーの10の条件は以下の通りです。
- 先見力
- 抽象化能力
- 情報収集能力
- 決断力
- 分析力
- カリスマ性
- 行動力
- 危機管理能力
- 胆力
- 責任能力
類書でも指摘されることが多い条件が挙げられていますが、この中で本書に特徴的な言葉としては、2の抽象化能力があります。苫米地氏の本を読まれている方にはお馴染みのキーワードですが、抽象化能力とはわかりやすく言うと、より高い視点から俯瞰することです。
苫米地氏らしさは抽象化能力に出ていますが、前田氏らしさは胆力に出ています。胆力も言葉としては、ここではやや違和感のある言葉です。
本書で苫米地氏が語られていることは、ほとんどが過去の著作によりまとまった形で書かれていることですが、対談での話し言葉を通じて両氏の雰囲気がわかるところが本書の読みどころです。
苫米地氏の会社が、将来的にグーグルを買収して飲み込んでしまうかもしれないというやや誇大的にも思える話や、独自の視点からウェブ空間や金融を分析されているところなどは、本書で最も読んでいて面白いところです。
お金から発生した金融が、もともと人の思い込みによって成り立っており、さらにITの発展によるお金の実体性の低下が加わって、脳機能学者である苫米地氏の分析により馴染みやすくなっているようです。
このあたりを詳しく知りたいのであれば、このブログすでに紹介した苫米地氏の『洗脳支配』にまとまった形で書かれています。
本書は、自己啓発書によくあるようなリーダーの条件とは一味違った内容です。普通の意味でリーダーの条件を理解するには、一般の本を当たる方がよいと思いますが、本書からは別の視点でのリーダーに対する見方が得られるかもしれません。









