2008年04月29日
『石田純一 青田典子 デートの罪と罰』
講談社『1週間』編集部・読売新聞popstyle編集部・編
2008年3月25日発行 1260円(税込)
今日はゴールデンウイーク合わせて、軟らかい本にしたいと思います。本書は、タレントの石田純一さんと青田典子さんのお二人による雑誌や新聞に載ったデートについての話を集めて再構成した本です。
読み切りの話が数多く集められており、デートのときにどのように男性が考えて行動すればよいか、男女それぞれの意見が述べられています。
タレントのお二人はやはり一般人とは違う存在なので、あまり期待せずに読んでみましたが、思ったよりも実践的な内容に仕上がっています。
本書の読み方には二通りあり、一つはお二人の著者に個人的な興味がある場合、もう一つは個人的な体験から恋愛についての普遍性を読み取る場合です。
恋愛本は書いた著者の個人的経験の影響を受けるため、書かれている内容については、ある程度割り引いて考える必要があります。割り引く必要がありますが、その個性の部分が面白いところでもあります。
本書を読んでいて感じるのは、恋愛でうまく振る舞おうと思うのであれば、まずは恋愛について強い興味を持つ必要があるということです。行間から伝わってくるのは、お二人が恋愛について持っている恋愛についての熱意と興味です。
恋愛の能力はスキルですが、スキルであれば熱意を持って習得する必要があるのは、他の技術と同じです。問題なのは、あまりはっきりとはスキルだと言われていないことです。何となく恋愛をする人が多く、自分の感情に振り回されて損をしてしまいます。商売で何となくものを売って、思うように利益が残らないことに似ています。
恋愛の本で実践的に一番参考になるのは、恋愛のことを十分に意識化できている女性によって書かれた本と、男性によって割り切って戦略的に書かれている本です。本書は体系的ではなく徹底もしてはいませんが、ところどころうなづかされる記述があります。
- 女性のスイッチはトークで入る
- 単純にして最強のセオリーは「ムード」と「胃袋」
- スキンシップは心もほぐす
なぜこのように行動すればよいかという根本的な理由は述べられていませんが、実践的にはそれで十分なのでしょう。
恋愛は人生において重要な問題です。思い通りにいかない場合は特にそうです。お金は人生においては重要な問題ですが、恋愛と同じく思い通りにならない場合、不足感・不全感が強くなります。そのような意味で両者は似ています。
また、恋愛もお金も重要な問題なのに、誰も系統的に本質を教えてくれないところも似ています。多くの人にとっては、中学で教わる二次方程式の解の公式などよりよっぽど重要な問題であると思います。なぜそれらが教えられないのかを考えることは一つの大きなテーマです。