2008年04月30日
『2009年世界バブル大崩壊』
青柳 孝直著 2008年5月2日発行 1365円(税込)
2009年世界バブル大崩壊 落ち目の米国、虚飾の中国に、食いつくされる日本
サブプライム問題による世界的な影響と日本経済の景気後退による悲観論の蔓延とともに、書店でも本書のような悲観的なタイトルの本が数多く目立つようになっています。5年前も「日本国破産」といったようなタイトルの本が書店の経済コーナーを賑わしていました。
悲観論が蔓延するほど悲観的な本も売れるので、商業的には自然な流れです。本書のような本のタイトルを見た場合は、少し割り引いて考えた方がよいと思います。
悲観論の本が一般の書店で目立つようになる頃は、すでに株価に織り込まれていることが多いようです。市場で暴落が起こる場合は、ほとんどの人が予想もできないような突発的なハプニングが起きるときであり、少し前では「9.11」がありました。
それ以外で暴落が起きやすいのは、多くの人が楽観論の中で浮かれているときです。比較的最近では、ITバブルがありました。現在は悲観論が蔓延しており、市場にかなり織り込まれていると思うので、暴落は起こりにくい状態なのではないかと思います。もちろん暴落が起こる可能性はゼロではありません。
本書はタイトルに「2009年世界バブル大崩壊」とありますが、実際の内容は市場の分析ではなく、アメリカ、中国、日本における経済を中心とした問題点について書かれている本です。
それぞれの国における問題が、日本との関係を交えながら書かれています。本書だけのオリジナルは記述は少ないのですが、それぞれの社会の問題が一通りまとめられています。全体的に「大人の意見」が述べられており、そのような意味では安心して読めます。
バフェットについての記載などはやや疑問に思うこともありましたが、全体の流れには大きな影響を与えているわけではありません。
本書の特徴は深さというより幅広さです。日米中の社会・経済問題についてある程度の知識のある方であれば物足りなく思うかもしれませんが、ふだんそれほど関心のない方にとっては、最近のトピックスを含みつつ広い範囲の問題についてまとめられており、わかりやすい本であると思います。








