2008年05月01日
『国富ファンド・ウォーズ』
小森 正彦著 2008年5月1日発行 1680円(税込)
国富ファンド・ウォーズ―「彼ら」は日本で何をしようとしているのか
画像がまだ取得できません。著者は日本政策投資銀行の調査部で仕事をされている方です。本書は国富ファンドについてまとまった形で書かれている、日本で初めて出版された本です。
国富ファンドは、サブプラム問題によって毀損した欧米の投資銀行の資本を補ったことや、外貨準備の運用のため中国でも設立されたことなどにより、最近注目を浴びるようになりました。本書は世界における国富ファンドについて、一通りのことが理解できるように書かれています。
本書によれば、世界の国富ファンドの規模は250兆円程度であり、モルガン・スタンレーによると、2015年にはその規模は1200兆円程度になる見通しだそうです。もしもこの見通しが正しいとすると、日本の株式市場の時価総額は世界の株式時価総額10%位なので、数十兆円規模のそれなりのお金が流れ込んでくると思われます。
国富ファンドは、発展途上国の経済成長に由来する資源価格高騰により、資源国に余っているお金や、中国の貿易黒字による外貨準備などを運用するために存在しています。
国富ファンドのマネーはどこかで運用されないといけませんが、運用するためには、債券、株、不動産に投資するくらいしかありません。今後はインフレ傾向が続くでしょうから、債券ばかりに投資するわけにもいかないので、株や不動産にファンドのマネーが投資されることになります。
そう考えると、今後は世界的に株や不動産は上昇しそうです。より正確に言うと、もともとそれ自体に価値のないお金の価値が下がるということになります。
経済が発展するときは、経済成長にとって価値のある資源や、価値を創り出す企業の所有権である株式、そしてその場所を提供する不動産も上昇します。逆に、それだけでは価値を創り出さないお金や、利子という形でお金しか生み出すことのできない債券の価値は下がります。
ここ1年くらい、世界的に株は下落傾向でした。インフレの場合は、短期的には企業業績が落ちるため株価は下落しますが、もともと株はインフレには強い資産です。現在は、短期的な下落から長期的な上昇の途中にあるのではないでしょうか。もちろん相場なので、どのようになるかは何とも言えないのですが。








