2008年05月10日
『私塾のすすめ』
齋藤 孝/梅田 望夫著 2008年5月10日発行 714円(税込)
私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))
『声に出して読みたい日本語』などの身体性を重視した数多くの自己啓発書を書かれている齋藤孝氏と『ウェブ進化論』の梅田望夫氏との対談です。
お二人のいままでの本は自己成長のコンセプトを底流に感じます。タイトルに「私塾」とありますが、本書のテーマも自己成長でよいのではないかと思います。
本書は対談としてよくできている本です。お二人がほぼ同じ年齢であること、「人の大きさ」のサイズが似ていること、根っこの問題意識が似ているにもかかわらず表現が異なることなどにより、うまく「対」になっているように思います。
問題意識の共通性については、齋藤氏が前書きで書かれている以下の文を梅田氏があとがきでも引用されています。
「私たちは接点なくここまで生きてきたのですが、対話をしてみると、「志」の部分に共通するものがあって、根っこが似かよっています」
最初に両者の写真が並んで載っているのですが、写真から受ける印象までも似ているように感じました。
普通の対談では、話す量が違っていることや、役割の違いのため、バランスが崩れていることもあるのですが、本書での両者は対等であり、互いの持ち味が同じように相手によってうまく引き出されています。
お二人とも人間の成長をテーマとされているように思うのですが、齋藤氏は全体のレベルを満遍なく底上げすること、梅田氏は意欲と能力のある人たちを輝かせることに重点があるようです。そのあたりが両者の大きな違いでしょうが、成長という点では同じです。
齋藤氏は自分探しについて否定されていますが、成長と自分探しとは切り離せないと思います。自分探しの過程は成長の過程ですし、成長の過程は自己発見の過程です。
お二人の話が心に響くのは、両者とも若い頃に「停滞」していた長い時を過ごされたからだと思います。本書からはそのような印象を受けました。若い頃の人生に対して真摯に向き合った停滞期は、内部でエネルギーを蓄積している時期のようです。
齋藤氏は教育、梅田氏はビジネスに蓄積されたエネルギーを解放する場を発見されたようです。自分探しとは自分の内部にあるエネルギーを解放する場を発見することですが、解放されるエネルギーは解放される前に蓄積されている必要があります。
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この記事へのコメント
『なぜ日本人は学ばなくなったのか』を
今日書店で見ました。こちらは、単著です
が、割とすぐに読めました。
学力が低くても意欲があれば努力の余地が
ありますが、意欲自体が低い場合は他者からの
働きかけで盛り返すことってあるのでしょうか?
『なぜ日本人は学ばなくなったのか』も
よさそうでしたね。買ってブログで紹介
することも考えていますが、斎藤孝氏の
本は数が多く紹介し始めると際限なくなり
そうですね。
意欲は原始的な欲望に正直になるほうが
よいかもしれません。潜在的にその人が
最も欲していることと関連づけるのがよい
のではないでしょうか。








