2008年05月25日

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『バリュー投資の強化書』5

角山 智著  2008年6月5日発行  2940円(税込)

バリュー投資の強化書~良いビジネスを安く買い、高く売るための分析手法~

著者は個人投資家の角山智氏です。個人投資家ですが、独立されて投資関係の仕事をされているので、投資についてはセミプロ的な存在です。過去にも数冊の本を書かれており、勉強させていただきましたが、本書が今までの中でもっとも分量も多く気合いが入った内容です。

400ページを超える労作ですが、図表が半分程度の量を占めており、明快に書かれているためページ数ほどには読了するのに時間のかからない本です。



タイトルには「バリュー投資」とありますが、経済動向や市場心理についてもページ数を取って丁寧に解説されているため、単なるバリュー投資の本ではありません。バリュー投資家でない方でも十分に参考になる内容です。

本書の一番の読みどころは、決算書の分析についてです。経時的に財務3表を分析する方法が、類書より一歩つっこんでわかりやすく解説されています。著者は貸借対照表を重視されており、その分析が特に参考になると思います。

練習問題なども載っており、自分の理解を確認しつつ考えながら読み進むことができるため、投資についての理解が深まりやすくなっています。著者のセミナーが本書の元の一部になっているのかもしれません。

個人投資家によって書かれた本は、数年前の上昇相場の頃には数多く出版されていましたが、最近は書店で目にすることは少なくなりました。今の時期に本書が出版されるということが本書の価値を暗示しています。本書のような本を、今の時期に出版されたパンローリング社にも敬意を表したいと思います。

投資するべき事業や投資するべきでない事業、現在の時代の流れについても著者独自の意見が書かれており、興味深く読むことができます。これから著者が伸びると注目されている企業についても、以下の通り一部書かれていました。

  • 金融ベンチャー
  • パッケージソフト
  • グローバルニッチ

参考になりますが、本書の目的としては、自分自身で投資対象を探すことができるようになることなので、これらの事業を行う企業をそのまま投資対象とすることは著者も望まれていないでしょう。

バリュー投資の本は洋モノには数多くありますが、日本人によって書かれ直接参考にできるような本はあまりありません。総合的に考えると、本書は今までにある投資本の中でかなりの上位に入ります。本格的に自分で主体的に株式投資を行いたいと考えている方であればおすすめできます。

本書のような本を数多くの人が読んで日本の資本市場の質が高まれば、日本企業の国際的な競争力ひいては日本の国力も高まることでしょう。そのような意味においても重要な本です。



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都内在住30代。10代より1日1冊のペースで本を読んでいます。以前は文学、哲学、思想、宗教関係の本を読んでいましたが、株式投資をきっかけに、ここ数年はビジネス書などを読み込んでいます。本の知恵によって、世の中が少しでもよくなればと思います。
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2006年12月開始。
書店で年2000冊程度に目を通し、約500冊を購入。その中から紹介しています。
1日1冊のペースですが、事情によりお休みすることもあります。
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