2008年05月26日
『這い上がる力』
藤井 厳喜著 2008年6月9日発行 1115円(税込)
この記事を書いている時点でアマゾンでは売り出されておらず予約受付の状態になっています。一昨日のリアル書店ではすでに売り出されていました。
著者は国際問題アナリストです。本ブログでも過去に著者の本を紹介したことがありますが、いままでの本はどちらかというと不安に訴えかけるような内容が目立ちました。本書は登場人物はフィクションのようですが、人生相談的な内容で肯定的な書かれ方をしています。
タイトルの説明に「ユダヤ人成功者の知恵に学ぶ」「超・格差社会を生き抜く7つの黄金律」などとあります。ユダヤ人のエピソードが数多く出てきますが、以下の各章のタイトルを見てわかるように、ユダヤ人を越えた普遍性があります。
- 他人の欲望をかなえよ!
- 成功者のごとく振る舞え!
- すべてを利用せよ!
- 決断し、行動し、人生を楽しめ!
- 欲望を肯定せよ!
- 与えよ、奉仕せよ!
- すべてを疑え!
お金持ちというとユダヤ人や華僑がよく本のテーマになるのですが、実は日本人も世界的に見るとお金持ちです。日本人は隔絶された環境でコツコツ働いてお金持ちになりましたが、ユダヤ人や華僑は他の国で裸一貫から知恵を使ってお金持ちになっているので、サバイバル的なところがアピールするのでしょう。
本書はユダヤ人の知恵となっていますが、日本でも成功している人は同じような哲学を持っていると思います。同じような哲学でも、いったん日本人以外のフィルターを通してからの方が吸収しやすいのが日本人的と言えます。
日本人のすごいところは、金持ちになっているという自覚無しに金持ちになっていることです。いままでは比較的富の偏在が少なかったこともあるのでしょう。
日本人の一番の特徴は、本書にもあるように、貧しいことが清いことという「清貧の思想」にあります。論理的には「貧しいことは清いことである」から「裕福なことは汚れている」という結論にはならないのですが、なぜかそうなってしまっています。
貧しいことは清いことという考え方は、他者との比較が問題です。日本においては、お金が増えてもまわりの人と同じペースで増えれば問題になりません。まわりの人よハイスピードでお金が増えると、嫉妬されてしまいます。
日本では個人がお金をハイスピードで増やすことはあまり好まれていません。少なくとも、歓迎されているとはいえないでしょう。
日本が伸び悩んでいる理由はそのあたりにもあるのかもしれません。個人が遠慮なくお金持ちになることができれば、日本経済はより発展するのではないかと思います。
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この記事へのコメント
日本人は、異質なものをつきあう付き合い方をあまり知らないだけのような気もします。実際、所得差があまりに大きいとどう付き合えばいいのかわからないし、方法がむずかしいような気がします。1回の食事代の相場が違うなどの日常的なことで、困難を抱えてしまうために。
日本人の場合大金持ちになっても、そのことだけでは尊敬されることは少ないので、お金持ちになるモチベーションが低くなるかもしれません。
たしかに日本人は異質なものとのつき合いになれていませんし、戦後からいままでは所得が比較的均質化されていたので、機会もあまりなかったようです。









