2008年06月05日
『10年先を読む長期投資』
澤上 篤人著 2008年4月30日発行 735円(税込)
10年先を読む長期投資 暴落時こそ株を買え (朝日新書 108)
著者は独立系のさわかみファンドを設立・運営されている方です。株式投資についての著作を数多く出されており、総論的な内容がほとんどです。著者の本はやさしく書かれていますが、本書はいままでの中でもとくにやさしい本です。
本書が1ヶ月くらい前に出たとき本屋でざっと目を通しました。その時は買いませんでしたが、売れているようなので買って読んでみました。
本書で著者が主張されているのは、株式投資は安く買って高く売るということです。タイトルに「長期投資」とありますが、著者の方法は本来の意味の長期投資というよりも、市場の状態が悪く株価が割安になっているときに買い、市場が盛り上がって株価が上がって割高になったら売るという方法であり、市況に合わせて売買を行う手法です。
著者の方法の根底には、景気が循環するという考え方があります。しかしながら、本書を読んだだけでは具体的にどのようにしたらよいかまではわかりません。わからない状態のまま自分で株を売買するよりは、著者のファンドを購入する方がよいと本書を読んだ人は考えてしまうかもしれません。
本書は厳密に読み込むといろいろ突っ込みたくなる記載があるのですが、株式投資について一つの大まかなイメージを持つのにはよいかもしれません。安く買って高く売るというのはその通りなのですが、心理的にはそれほど簡単ではありません。
著者のファンドの成績はよいようであり、景気循環的なやり方でファンドを運用して好成績が残っているのであれば、著者の市場の予測はいままである程度当たってきているとも考えられます。ファンドが設立されて10年も経っていないので、今後も当たり続けるかどうかは未知の部分もあります。
それを踏まえた上で著者の市場予測を述べると、2008年の夏は「きっと、最高に暑くなりますよ」だそうです。日本株が暴落したときに、著者のファンドが株を買いまくっているというニュースは数ヶ月前に耳にしました。ここ数ヶ月の市場は、著者の考えている通りになっているのかもしれません。








