2008年06月21日
『小さな会社“大繁栄”のノウハウ』
唐土 新市郎著 2008年6月25日発行 1365円(税込)
著者は船井総研のコンサルタントをされている方で、すでに数多くの著作があります。本書は中小企業の経営者向けの本ですが、自営の方や雇われている方が読んでも役に立つと思います。
著者の実家は日本料理店をされているためか、小規模の自営業者にも配慮をした書き方をされています。また、自己の省察をしている方に特有の文章の透明感があり、自己啓発的な色彩も濃く感じられます。以下の社長の「自問自答力」を読むとそのことがよくわかります。
- 人生→どんな人生を築きたいですか?
- 経営→自分の経営のモットーは何ですか?
- 家族→家族から学んだことは何ですか?
- 仕事→何のために働いているのですか?
- 未来→あなたにとって幸せとは何ですか?
- 過去→今までで何が一番楽しかったですか?
- 願望→これから本当に何がしたいですか?
- お金→お金に対する考え方は?
- 自分→自分はどんな人間ですか?
根底に自己啓発的な成長についての問題意識があり、仕事や経営はむしろ人間的な成長のためにあると考えているように思われます。本書ではとくに夫婦間の仲を強調されている印象がありました。
中小企業の業績は100%社長で決まると書かれており、著者がコンサルタントとしてされているのは、ほとんどが社長の心の軌道修正のようです。たとえば、ワンマン社長が成功する五つのルールを以下のように書かれています。
- 他人、会社の批判をしない
- 自信があっても、勉強する
- 物事への対応は丁寧にする
- 他人を馬鹿にしない
- 「ありがとうございます」を1日3回いう
日々の基本的な行いですが、なるべくエゴをなくすことが必要とされるようです。
本書は経営や売り方についてのテクニカルなことも書かれています。著者は業績アップのためのオリジナルなテクニックを1200以上も持っているとのことですが、それだけにかえって心構えを重視されているのでしょう。
本書は人間が幸せになることと、商売を成功させるためのベクトルを一致させる本です。いつも思うのですが、コンサルタントの方が書かれている良質の本は、ほとんどが人生論になっています。
本書は、商売を通じて自己実現をしたい方が読むと参考になると思います。また、商売がそんなに好きなわけではないにもかかわらず、何となく商売をしていて毎日があまり楽しくない方、たとえば親の商売を何となく引き継いでやっている方などが読むととくによいのではないかと思います。









