2008年07月01日
『中国が笑う日本の資本主義』
跡田 直澄著 2008年6月30日発行 777円(税込)
昨日創刊となったヴィレッジブックス新書という新しいシリーズですが、早速一冊買って読んでみました。本ブログで扱う範囲の本では、他に以下のような本があります。後者の本は、芸能人の関根勤さんの本です。
和田裕美の必ず結果が出せる営業法則 (ヴィレッジブックス新書 7)
今回創刊された本のうちでは、今日紹介する本がもっとも経済と関係が深いようです。
タイトルに「中国が笑う」とありますが、本書の内容は中国とはほとんど関係ありません。本書のテーマは、日本における官僚制度や公務員制度から派生してる諸問題です。
日本の国の政策は実質的に官僚が牛耳っているので、日本の実情を知る中国人からは「いまの姿を見ると、科挙としか思えない」そうです。この発言にタイトルの由来があるのかもしれません。
本書で論じられている諸問題は、国や地方自治体の借金、官僚制度や公務員制度と天下り、食糧政策、社会保障問題などです。いずれも非効率性がよく取り上げられるテーマです。
著者はこれらものすべてが悪いと書かれているわけではなく、非効率性が問題であるとしています。たとえば天下りなどについては、すべてが一律に悪いわけではないようです。悪いびは、天下りに付随する非効率性や無駄などです。
官僚制度や公務員制度も同様です。過去の日本における高度経済成長は、官僚制度がうまく機能したことも理由の一つです。官僚の方々も優秀なのでしょうが、制度が時代にそぐわなくなってきており、宝の持ち腐れの状態になっています。一番の問題なのは、内部から買われない仕組みになっていることです。
日本の官僚制度に限らず、組織は内部から自分の欠点を自覚して変わっていくのは難しいことが多いようです。株式会社であれば、経済的な圧力による自浄作用が働きますが、国という特殊な組織では自浄作用が働きにくくなっています。期待できるのは、外圧か国民の意識の高まりのいずれか、あるいは両者の組み合わせです。
本書は、啓蒙的であることを著者が強く意図されているように感じました。おそらく国民の意識を高めることを目的にされているのでしょう。そのため平易に書かれており、新しい知見などによる難しさはありません。国と地方自治体の借金問題についても、ゆるやかなインフレに誘導して実質的な借金を目減りさせるという「正統的な」方法を提案されています。
経験則としては、デフレよりインフレの方がよいのは日本人であれば痛感していることです。インフレにもさまざまな種類があるので、十把一絡げにはできませんが、時間が経つごとに本来価値を有さないはずの貨幣が価値を増していデフレは、人間の本来の感覚にどこか反しているのかもしれません。










