2008年07月07日
『これだけ違う男と女』
渡辺 淳一著 2008年6月25日発行 660円(税込)
『婦人公論』に連載された後、2年前に単行本として出版されたものが今回文庫化されました。作家の渡辺淳一氏が2〜3名の女性に男女の性愛について語っています。
男の本音や男女間の性愛について直裁に話されており、男性にとっては共感できる内容がほとんどなのですが、聞き手の女性による受け取り方から、男と女は「これだけ違う」ことがよくわかります。
本書を読んでいると、セックスについては男女間の溝の深さを思わざるを得ません。もともと男はなるべく数多くの女とセックスをしたい、女は自分がセックスをしたい男にはなるべく他の女とセックスをさせたくないとお互いの立場が正反対なので、分かり合えるはずもないようです。
人と人が分かり合えないことは、通常であればよくあることですし、分かり合えなくても何の問題もありません。男女間で分かり合えないことが問題になるのは、お互い一番理解し合いたい相手だからです。
性と恋と愛は本来別々のものですが、現代の日本ではは恋愛結婚が主流となっているため、これら3つを恋愛において一致させることが要求されます。人間が高度に成熟すると、これらの3つは統合され一体化するかもしれませんが、多くの場合は困難でしょう。
女性が男性を本当の意味で愛していれば、女性は男性の浮気を喜んで容認するはずですし、男性が女性を本当の意味で愛していれば、自分よりも価値の高い男性と付き合うために女性が別れを切り出したときは喜んで同意するはずです。
一般的には、男女ともこれらのことはできません。なぜなら、多くの場合恋愛はエゴに基づいているからです。
女性は男性が浮気をしないことを「誠実」と表現しますが、男性が自分の欲求に誠実であれば浮気はしないまでも、少なくとも浮気心は自覚していることでしょう。
一般的なビジネスにおいては、売り手はなるべく高く売りたい、買い手はなるべく高く買いたいと利害が対立しています。利害が対立しているのは、男女も同様です。
男女の関係が緊張を孕んでいるのは、売り手と買い手が真剣勝負のビジネスをする際に緊張感があるのと同じです。緊張がないということは、お互いあるいはどちらか一方が自分の立場を最適化していないということなので、そのような会社は利益の低下による競争力の減少によって、生き残る可能性が低くなることでしょう。
緊張感のないビジネスパートナーとは長くよい関係を続けにくいですが、恋愛においても緊張感がないと相手の魅力が減少してしまいます。恋愛においては緊張をなるべくなくしたくなりますが、重要なのは緊張をなくすことではなく、いかにして適度な緊張を保ったまま関係を進めるかです。
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この記事へのコメント
極意なのですね。むずかしい。
恋愛感情はドキドキ感と関係が深いので、
緊張が必要なようです。
男性が女性との関係を進めるに当たって、
少しずつ適度な緊張感を保ちながらさらに
踏み込んで関係を深めることができる能力は、
適度なリスクを取りながらリターンを拡大
できる男性の能力を暗示するので、女性から
するとセクシーなのかもしれません。









