2008年07月24日

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『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』5

荒濱 一/高橋 学著  2008年7月30日発行  1000円(税込)

やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている (Kobunsha Paperbacks Business 19)

一年前に紹介した『結局「仕組み」を作った人が勝っている』の続編です。ブログの記事について、著者のお一人より

「次回作ではもう少し突っ込んで、仕組みの作り方のより詳しい内容、更にケーススタディの充実に注力したいと思います」

とコメントをいただきましたが、本書では「「仕組み」思考」について、具体的な取材から、以下のように9つの本質的なエッセンスが抽出されています。



  1. 複製【古澤暢央氏 株式会社セルフデザイン
  2. 他力【高樹公一氏 週末飲食オーナー倶楽部
  3. 多面【田淵隆茂氏 ネットで収入と自由な時間を手に入れる方法
  4. 継続【午堂登紀雄氏 不動産投資マスターズ
  5. 分身【石田健氏 アカデミアジャパン株式会社
  6. 標準【田中正博氏 タナカマサヒロオフィシャルサイト
  7. 法則【斉藤正章氏 斉藤正章のシステムトレード日記
  8. 即行【菅野一勢氏 情報起業でがっつり稼ぐ会
  9. 論理【金森重樹氏 通販大家さん

本書で紹介されている「仕組み」とは、株のシステムトレードや不動産投資もありますが、アフィリエイトや情報商材などのインターネットを用いたネットビジネスがメインになっています。

紹介されている方々は、それぞれその線では著名な方であり、ほとんどの方に著書があります。タイトルを挙げれば、「本屋でタイトル見たことある」と思われる方も多いことでしょう。

一人の方につき一つの「「仕組み」思考」の概念が当てはめられていますが、これは一番の特徴ということであり、ほとんどの方がほぼすべての要素を有していると思われます。

本書が面白いのは、著者たちが読者目線で紹介した方々のビジネスに対する驚きを読み手と共有しているからです。そして著者たちご自身も前回・今回の取材体験をもとに仕組み作りに挑戦されており、現在進行形だからです。

仕組みそのものは昔からありました。株式は株式会社の儲けの仕組みに対する所有権であり、株の売買は仕組みの売買です。

本書で紹介されている事例と今までの株式会社の違いは、やはりインターネットによってもたらされていると思います。本質的には同じですが、ネットを利用すると、低リスク、低コストで大きなレバレッジをかけられるため、初期の時点で金銭的資本がほとんどいらない個人プレーが可能になっています。量的な違いが著明なために質的な違いに転換されています。

本書のテーマは思考なので、主に成功者の考え方のエッセンスについて述べられていますが、人間の精神活動は、思考、感情、意志に分けられます。本文ではところどころ述べられていますが、本書で紹介されている方々は、思考以外にも、意欲、感情の観点からも何らかのエッセンスを抽出できるかもしれません。

本書は作りもさまざまな点で工夫されており、著者の方たちの気合いが感じられる本です。ネットビジネスに詳しい方にとっては新しい知識は得られないかもしれませんが、そのような方でも読み物として面白く読めると思います。



investmentbooks at 23:15│Comments(10)TrackBack(0)clip!本--マーケティング 

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この記事へのコメント

1. Posted by 荒濱 一   2008年07月25日 10:28
『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』著者の1人、荒濱です。

この度は、前作に続きまして、我々の本をブログで取り上げていただき、誠にありがとうございました。

我々が本書で読者の方々にお伝えしたかったことを、非常に的確にご指摘いただき、感激です。

私自身、とても勉強になりました。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

取り急ぎ、御礼まで。

荒濱
2. Posted by ライブドアパブリッシング   2008年07月25日 12:33
お世話になっております。弊社刊の新刊を献本させていただきたいのですが、ご検討いただけませんでしょうか。
3. Posted by YO-SHI   2008年07月25日 15:13
3 こんにちは。YO-SHIと言います。読書ブログをやっています。

この本を私も読み終わったところです。(前作は読んでいません)
私は、アフィリエイトや情報商材の事例が多いことがちょっと気がかりでした。
「楽して金儲け」という考えではない、と著者は断っておられますが、ネットでよく見かける「ほったらかしでン万円!」というDMが言っていることと、著者お二人の取材と考察の成果である「仕組み」の違いが不明瞭になってしまう気がします。
4. Posted by bestbook   2008年07月25日 22:59
>荒濱様

著者よりコメントいただき、ありがとうございます。
ブログには書きませんでしたが、前作の発行部数なども書かれていたのも興味深く拝見しました。
次回作と「仕組み」の発展を楽しみにしています。


>ライブドアパブリッシング様

献本のご提案ありがとうございます。
ご提案大変嬉しく思いますが、現在多忙のため、当ブログでは献本を遠慮させていただいております。将来状況が変わり、献本を受け入れさせていただく機会がありましたら、その際はよろしくお願い致します。ご提案ありがとうございました。


>YO-SHIさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
本書にも書かれていましたが、アフィリエイトで紹介されている商品や情報商材に本当の価値があるかどうかがポイントですね。たとえ10万円の情報商材でも、価値があればよいと思います。
「楽して」儲けるのも、売っている商品や情報が購入した人に対してそれなりの価値を創り出していれば、それはそれでよいと思います。と言っても、お書きの通りグレーゾーンになりやすい分野であるとは思います。
5. Posted by 自営業   2008年07月26日 14:19
YO-SHさんに賛成です

この中で、実業やってる人は半分ですね
高橋、石田、田中、金森の4名

実業での仕組みが少なくネットが多くとりあげられていますが、この中で5年後も残っている
人は何名いるか疑問ですね…

特に、情報起業については消費者法の観点からも今後重大な問題が発生して規制される可能性はあるとおもいます

でも、日本の警察は動きがおそいからね
海老養殖でも1000億円以上の被害がでてやっと捜査ですからもしかしたらそのまま残れるかもしれません

6. Posted by bestbook   2008年07月26日 20:39
自営業さん、はじめまして。コメントありがとうございます。コメントいただいたことで、啓発されいろいろ考えることができました。

情報商材ついては玉石混淆のようで、お書きの通り、石の部分は今後問題になってくるかもしれません。問題になってくるとしたら、問題のある商材の額が大きくなるか、関与する人の数が多くなるかだと思います。

情報商材の価格は数万円のものが多く損失が比較的少額に限定されてしまうため、商品先物や外国為替証拠金取引のような数百万・数千万単位での被害が出にくく、問題化しにくい傾向にはあるかもしれません。

損失が限定されているという意味においては、情報商材を買うことはオプションを買うことに似ています。先物は損失が大きくなるので社会問題化しやすいですが、オプションは損失が限定されているため、問題化しにくい傾向があります。

また情報商材の価値は曖昧な部分が多く、商材の価値がはっきりとした金額にならないため、難しい点もあると思います。

それだけに低品質の供給が続いてしまうという困った問題があります。お書きの通り、そのまま残るかもしれません。今後情報商材が生き残れるかどうかは、品質の低い商材が排除されるシステムが機能するかどうかによるところが大きいと思います。
7. Posted by 高橋学   2008年07月28日 19:57
『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』の共著者の高橋です。この度は本を取り上げていただき、有難うございました。

情報商材についての皆さんの考察を拝読いたしました。商材については、かなりグレーのものが多いことは事実。私も本の中で、そういったものが問題であると、微力ながら、指摘させていただきました。

ネットの登場により、個人が情報を売れるという時代になりました。それが存続するためには、おっしゃるとおり、質の低下を防ぐことが何より重要です。プロのライターや編集者が入ったり、中身を一部見られるようにすること。また、システムを導入し、自動的にグレー商材が排除されるようにするなど、対策が必要だと思います。

皆さんのご意見は大変参考になります。私もライターとして、この問題にどのように取り組んだらいいか、考えていきたいと思います。

また、ケーススタディにネットビジネスが多いことは、確かにご指摘の通りです。ただ、今回は「仕組み」を作る上での「思考」に注目していただければと思います。ネットビジネスに取り組まれている方々は、独特の思考を持ち、徹底的にそれを実践されている。そこは、ネットでもリアルでも学べる点ではないかと思います。

長くなり、すみませんでした。
bestbookさん、YO-SHIさん、自営業さん、貴重なご意見を頂戴しまして、有難うございました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

高橋
8. Posted by bestbook   2008年07月28日 21:00
著者よりコメントいただき、ありがとうございます。

情報商材の問題点については、実例を挙げながら確かに本書の中で指摘されていました。

情報商材は普通の本より10倍くらい高めの「本」と思っています。価格は10倍ですが、価値はばらつきが大きく、普通の本と比べるとハイリスクなのかもしれません。

金融商品もそうなのですが、高額のハイリスク商品については、消費者保護の観点から規制が必要なことが多いようです。

ただし情報商材の価格を考えると、本と比べて高いのですが、いまのところ積極的に行政が介入するほどの額ではないことが多いようです。

行政が動くのは、被害が高額になるか、被害者の数が多くなって社会問題化した場合ですので、いましばらくは規制されないのではないかと予想しています。長期的にはわかりません。

明らかに価値のない情報商材は市場から淘汰される方がよいと思いますし、実際されてゆくでしょう。市場原理がうまく働けばよいのですが、それだけでは力不足かもしれません。

本書のような本が出て多くの人が問題意識を持つようになれば、市場にもよい影響があると思います。

本の性質上、現実的にはなかなか難しいとは思いますが、もう少し問題点の記述量が多ければ、よりバランスが取れていたという意見もあったかもしれません。

本書でネットビジネスが多いのは、時代を象徴しており、一番「思考」と関係が深いからだと考えています。

個人的にはよい本だと思ったので、五つ星をつけさせてもらいました。

何らかの問題点が出れば、本書に書かれているように、改良を続ければよいと思います。次回作も楽しみにしています。
9. Posted by 高橋学   2008年08月02日 12:22
高橋です。
丁寧にコメントをいただき、有難うございました。司直の介入の部分は大変参考になりました。また、機会があれば、情報起業の現実みたいなところを、掘り下げてルポできればと思っております。

5星感謝です。励みになります。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

高橋
10. Posted by bestbook   2008年08月02日 23:28
サイトでブログをご紹介頂いたようで、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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