2008年07月30日
『自宅で不労所得を生み出すすごい仕掛け』
石田 健著 2008年4月25日発行 1470円(税込)
自宅で不労所得を生み出すすごい仕掛け―働かないで年収10倍!
数日前に『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』を紹介したところ、いくつかコメントをいただいたので、その本で紹介されていた「「仕組み」を作った人」の方が直接書かれた本を読んでみました。
著者はインターネットビジネス業界では有名な方です。『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』はライターの方による取材本で、発見、驚き、期待などが本の内容から感じられました。本書はインターネットビジネスを長らく実践し、すでに成功された方の本なので、ノウハウ、成功、自信を本の内容から感じることができます。
本書の各章のタイトルは以下の通りです。
- 成功のメカニズム
- 右と左、インターネットビジネスの基本構図
- SEOを極めるとはこの世の<神>になることだ
- アフィリエイトで稼ぐ
- 情報ビジネスで稼ぐ
- メルマガと情報ビジネスの進め方
- ミリオネアの思考術
- モチベーションと生活習慣
章のタイトルを見てもわかるように、方法論だけではなく、考え方の根っこの部分についても書かれています。読んでいて面白いのは、そのあたりでした。
本書に書かれている方法がビジネスになるのは、資本主義社会では情報がお金を産むからです。インターネットが情報を伝えるコストを劇的に低下させたので、個人的にインターネットを用いた情報ビジネスが容易になりました。
社会のシステムが大きく変わることによって、お金の流れが大きく変わるときには、新たなシステムに対するルールの整備はどうしても遅れます。株式会社というシステムが数百年前に創られたときには、さまざまな問題が生じ、そのあり方の是非自体も議論されました。
共産主義は資本主義に対する疑問から生じています。ここ数十年で決着はついたようにも思われますが、現在の資本主義が完成されたシステムかどうかはまた別問題です。数百年後の社会のあり方が別のものになっている可能性も十分あります。
お金の流れを変える新たなシステムの出現初期には、そのシステムの有用性に気づいた一部の人に富が集中します。本書には、その集中の様子とノウハウ一部の紹介が書かれています。
本書のような本が書店に出ると、書店に出るくらいの時期には多くの人がすでに内容を知っているはずなのでもう遅いのではないかと思ってしまいます。本書のようなインターネットビジネスの本はすでに数年前出版され続けています。
数年前に目を通した人は、すでに遅いのではないかと思ったかもしれませんが、いまから考えるとそうでもなかったようです。ただし、今が遅いかどうかは何とも言えません。数年前より遅いことは確かですが、ネットビジネスが今後しばらく発展し続けるのであれば、遅くはないのでしょう。
以上は株式投資の際の心理に似ています。成長途上にある企業の株式は、すでに十分高くなったといわれ続けながら上がり続けます。バフェットの経営するバークシャーの株も、すでに十分高くなっているので今は買えないといわれ続けながら上がり続けました。
本書に書かれていることを踏まえると、遅いかどうか考えている暇があったら、リスクが少ないので早く始めてしまった方がよいということになります。
ネットビジネスが賛否両論になりやすいのは、ルール作りが追いついていないので玉石混淆になりやすいためです。ビジネスを行う各人の倫理観に任されている部分が大きいのですが、大きなお金が動くビジネスの現場ですべての人に倫理観を求めるのは現実的には困難です。
ネットビジネスに否定的な方は倫理観の欠如によりモラルハザードが起きやすいことを気にされるのでしょうし、ネットビジネスに肯定的な方はその巨大なパワーの威力や今後の可能性に魅力を感じるのでしょう。
パワーが大きくなればなるほど個人の裁量の自由度が増すので、倫理の自律が必要とされます。お金を持てば持つほど、こころの本質が外界に表現されやすくなるのと同じです。
ネットビジネスはパワフルなので、長期的には悪い面が社会問題化するとは思いますが、その頃には同時に社会はネットビジネスから大きな恩恵も受けていることでしょう。
株式会社の制度はさまざまな問題を繰り返し起こしてきましたが、社会を大きく発展させてきました。株式会社の本質は損失を限定してレバレッジをかける仕組みです。ネットビジネスもその本質は同じですが、資本を少なくしてより高いレバレッジをかけることができます。資本主義の究極の形と言えなくもありません。
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この記事へのコメント
しばらく前にも他社様より同様の御提案をいただきましたが、多忙のため、今のところは献本を御遠慮していると書かせていただきました。
将来的に当方の方針が変更になった場合には、献本をお受けしたいと思いますが、しばらくは御遠慮させていただきたいと思います。
幻冬舎および幻冬舎メディアコンサルティング様の書籍と企画には日頃から注目しているので、今後の御発展を期待しています。
またの機会がございましたら、よろしくお願い致します。