2008年08月03日

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『金になる人脈』4

柴田 英寿著  2008年7月30日発行  777円(税込)

金になる人脈―その近づき方・つくり方・転がし方 (幻冬舎新書 し 6-1)

少々ドキッとするコピー的なタイトルです。「人脈」という言葉自体が利害や損得を意識して人と付き合うというニュアンスがあるのに加えて、さらに「金になる」という言葉が付いて、もともとの意味が強調されています。

本書の内容については、すでにマインドマップ的読書感想文で詳しく紹介されています。本書からは著者の真面目さが随所から感じられ、タイトルとはかなり異なった印象を受けます。



本書は一般的な人脈本と異なります。効率的な人脈形成術が解説されているというよりも、著者の対人関係に対する考え方、人を通じたキャリアデザインの方法などが書かれています。わが国における人脈の記述に関する歴史が書かれているのも特徴と言えるでしょう。

人脈という言葉からは損得の意識が感じられます。「今日は人脈を作りに来ました」などと正々堂々と言われると、多くの人はやや引いてしまうかもしれません。

男性の感覚からして最もしっくりくるのは、相性がよく気が合って友達になった友人がたまたま社会的にもパワーを持っているという形です。自然な友情を感じるためには、少なくとも最初の時点では利害関係を意識しないような知り合い方が望ましいはずです。

このような感覚は女性が男性と知り合うときにも見られます。最初からお金のことを意識して付き合う男性を探すのは、おそらく普通の女性の意識の上では抵抗があります。しかしながら、好きになった男性が「たまたま」お金を持っていればうれしいでしょう。

人間はもともと最初から利害関係を意識して他者との付き合いを形成するのは得意ではありません。人脈術の本が数多くあるのはそのためです。

多くの人は仕事での付き合いとプライベートでの付き合いを分けていますが、これは本来の無意識的な人間関係と意識的な人間関係を同時に存在させることがストレスになるからです。

これらの二つの関係は分けられることが多いのですが、実は考えているほど違うものではありません。「純粋な」友情にも意識しない損得がありますし、ドライな仕事上の関係にも理性の計算の裏に感情が混ざっています。

バランスを取るという観点からすると、「自然な」プライベートでの関係には損得も考慮に入れる方がよいはずですし、ビジネスの関係では「思いやり」や「まごころ」があると関係がスムーズになるのかもしれません。

意識するにせよしないにせよ、人間の関係が続くためには、長期的な観点からの等価交換が成立している必要があるようです。



investmentbooks at 23:50│Comments(2)TrackBack(0)clip!本--対人関係 

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この記事へのコメント

1. Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文   2008年08月05日 00:15
bestbookさん、ご紹介ありがとうございます。

そもそも8割以上の方は、「初対面後に葉書送付」とかやってないような気がするので、この本の言ってることは深すぎるかな、とか思ってみたり。

私たちが得意(?)なモテ本で言うなら、「声のかけかた」にこだわっている、とでも言いますか(笑)。
でもほとんどの人は声すらかけてないわけですから、おっしゃることはある次元では正しいものの、敷居が高いかな、と感じました・・・ってワケワカメですね(汗)。
2. Posted by bestbook   2008年08月05日 23:22
smoothさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

たしかに著者はしっかりされているので、自分を含めて多くの人が同じようするのは大変かもしれません。

モテ本はもっと紹介したいのですが、本ブログではとりあえずスパイス的に取り入れています。でも実はモテ本の方がアクセスが多かったりします(汗)。

数多くのモテ本が出ていますが、それにもかかわらず読んだ人みながモテてはいないのは、お書きの通りほとんどの人が内容を実行していないからだと思います。

そのため一部の人たちが市場を寡占化して分配の不平等が生じています。心理的な参入障壁が高いといいますか・・・。おそらくこの構造は人の不安や恐れに深く根ざしているため、市場が自由化されている限りずっと続くことでしょう。

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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