2008年08月06日
『成功本はムチャを言う!?』
新田 義治著 2008年8月18日発行 735円(税込)
成功本はムチャを言う!? (青春新書INTELLIGENCE (PI-209))
著者は長年にわたる小学校の教員生活を経て出版社に勤務、その後ライフ&ビジネスコーチ、心理カウンセラーとして、のべ一万人以上の相談に乗ってこられた方で、教育、ビジネス、カウンセリングにおける豊富な人生経験をお持ちです。
ここ数年、ブームといえるほど数多くの成功本が出版されています。書店のコーナーも日々拡大しており、最近は本を選ぶのも一苦労です。本書は成功本の一般的な落とし穴について簡明に解説されていますが、本ブログでも成功本をいくつか紹介していることもあり、紹介しておいた方がよいと考えました。
「巷の成功本で説かれる「八つのノウハウ」」として、以下のようにまとめられています。
- 目標を明確にする
- 期日を決める、スケジュールを立てる
- 好きな仕事をする
- ポジティブ思考をする
- 人に感謝する、人に与える
- 自分に投資する
- いい人と付き合う、人脈を広げる
- 潜在意識を活用する
すべて成功本によく書かれていることですが、本書ではこれらを取り入れるときの注意点について述べられています。これらは、一般的な原則ともいえるべき内容なので、状況や人のタイプによって適応が異なることが、著者のコーチングの経験などをもとにして具体的に解説されています。
本書のような本が出版される背景には、成功本が数多く出て売れている割には、実際に成功している人は少ないということがあります。
成功本に書かれているのは、思考や行動を変えることです。しかしながら、人が変わるのは難しい。これは自分のことを考えても思い当たりますし、臨床の現場でも実感します。
成功本を読んですぐに行動や考え方を変えられる人は、変わるための準備がほぼ完了している人です。成功本は、読み手が9割完成している場合に、残りの1割をプッシュしているに過ぎないことが多いのではないかと思います。
成功本を読んで実際に成功した人は、本を読んで劇的に変化したように見えますが、実のところは目に見えない部分で長年かけて潜在的に変化していたものが、顕在化していなかっただけのことが多いように思います。
カウンセリングにおいても、カウンセラーのちょっとした一言でクライアントの人生が大きく変わることもありますが、それも同様にクライアントの方で潜在的に変化がほぼ完了しており、カウンセラーの一言は最後の一押しをしたに過ぎないことがほとんどです。
本書のタイトルの「ムチャ」は潜在的に1割も変化していない場合に、成功本を読んですぐに10割の状態に移行しようとしても「ムチャ」ということです。
派手な成功も結局は日々の積み重ねです。積み重ねなく成功しようと思っても「ムチャ」ですし、積み重ねなく表面的に「成功」したとしても、おそらく内面が追いつかないため、その後かえって「成功」の状態を処理できず、その反動が生じます。
自分が一生懸命働いたお金で資産運用の勉強をして3億円に資産を増やすのと、いきなり宝くじで3億円当たるのとは、同じ3億円があるにしても全く意味が異なります。高額の宝くじに当たった多くの人が、その後必ずしも幸せになっていないという調査からもそのことがわかります。
トラックバックURL
この記事へのコメント
この本はおもしろそうですね。
たしかに、1冊の本を読んで激変する人は、
その前段階に、潜在的に変化しているフェーズがありそうです。
その指摘は、なるほど、と思いました。
継続は力なり、日々の精進に勝るものなし、ということですよね。
私も何かに付け日々精進していきたいものです。
コメントありがとうございます。
本書は読みやすく面白い本でした。
潜在的な力を溜める時期をしばらく過ごせるか
どうかがポイントだと思います。
御評価いただきありがとうございます。
>aniさん
はじめまして。
コメントありがとうございます。
御共感いただきうれしく思います。
成功はコップに水を溜め続けいると、
そのうち自然にあふれ出すイメージです。
人にできるのは、水を少しづつ溜めること
だけです。あふれ出すのは自然現象なので
自分ではコントロールできないかもしれま
せん。








