2008年08月20日
『ハイエク 知識社会の自由主義』
池田 信夫著 2008年9月2日発行 735円(税込)
著者はアルファブロガーとしても著明な池田信夫氏です。本書は新書による経済思想家ハイエクの解説書の体裁をとっていますが、ハイエクを軸にして著者の思想が述べられている本です。
ブログを別に考えると、本書はいままでの著者の本の中で最も著者らしさが出ていると言えるでしょう。
ハイエクの問題意識は、経済学のみならず、哲学、思想、法学、心理学など幅広く多岐にわたっていましたが、これらのテーマはおそらく著者の問題意識と重なっているため、著者はハイエクを通じてご自身の思想を語られているのでしょう。
著者のテーマはさらに通信、ハイテク、知的財産権にまで広がっていますが、この違いは時代的な相違によると思われます。ハイエクが現在生きていれば、著者と同じような問題意識を持つのではないかと想像されます。
本書の内容については、ここで中途半端に述べるよりも、新書で手に入れやすい本なので、直接読んでもらった方がよいと思います。経済、経済史、金融、哲学、思想、政治、法学、政策、物理学、進化論、心理学、言語論、ゲーム理論、インターネットなどさまざまな分野の知的な論述のハーモニーを堪能できます。
本書で述べられたことをもとに、終わりの方で日本の政府が「消極的に」行うべきことについて、いくつか挙げられています。
- 著作権保護や電波の緩和によるボトルネックの解消
- ファイナンスの多様化によるイノベーションの促進
- 労働市場の規制撤廃による人的資源の流動化
政府の役割はゲームの参加者になるのではなく、ゲームのルールを調整することにより自由な競争を促すことのようです。
ゲームのプレーヤーよりもゲームのルールを整備する方が本来は知的に高度な作業なので、ゲームの調整をうまくできる人が正当に高い評価を受けられ、プライドと満足感を持って調整に当たれるように国の仕組みが変わるとよいかもしれません。
どのように考え何をすればよいかは本書に書かれていますが、そのために何をすればよいかまでは本書には書かれていません。本書には書かれていませんが、本書が出版されていることや著者が日々ブログを書かれていることが、一つの答えなのかもしれません。
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この記事へのコメント
人の考えというのは様々で面白いですね。
この本は読んでみようかと。
bestbookさんは特に読むジャンルは定められていないようで、逆に感心します。
(普通は自分の読みたいものってジャンルに偏りが出るものでしょう)
これからも色々な本を紹介してください。
期待しております。
本書は読みごたえがありますが、本の内容が高度になると皆に理解されにくいという人間の理解について本質的な問題を本書から感じます。
お褒めいただきうれしく思いますが、本ブログでは人の欲望の分析、解決そして超越に関係した本を紹介しています。そのテーマの中においては、お書きの通り偏りは少ないかもしれません。
ご期待いただきありがとうございます。
今後もなるべく幅広い内容の本を紹介したいと思います。









