2008年08月24日

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『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』4

マーカス・バッキンガム/ドナルド・O・クリフトン著  田口 俊樹訳

2001年11月30日発行  1680円(税込)

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

KTさんのご要望にお応えして、本書のウェブサイトにあるテストをやってみました。本書は7年近く前に翻訳が出ていますが、勝間和代さんのおすすめで再び注目を浴びている本です。

本書のテストは2ヶ月くらい前から書評ブログで話題になっており、本書で定義されている34の資質の中から、個人に特徴的な強みを順番に5つ教えてくれるものです。(テストを行うためには、本書を新本で買ってアクセスキーを入力する必要があります。)すでに著明なブロガーの方々が行われていますが、それらの結果はとんさんのブログの記事にまとめてリンクが張られています。



本書を貫く考え方として、弱みを補ったり改善したりするより、長所を伸ばす方がよいという考えと、人を変えるのは難しいということがあります。そのため、自分の長所を把握して、それを伸ばすのがよいという結論になります。これは個人のレベルでもそうですし、企業が人材を活用するにおいても同様です。

たしかに人が変わるのは難しいです。多くの人に伝える場合には、人が変わるのは難しいということは9割の真実です。個人のレベルでは、9割の真実として認識しつつ、変われる可能性も否定せずに取っておくのがよいでしょう。

34の資質は程度が異なるだけであり、大なり小なりすべての人にあると思います。ポートフォリオ的に考えると、34の資質という銘柄をおのおの一人一人が所有しており、本書の考え方に基づいて考えると、自分のエネルギーを上位の銘柄に集中投資すべきであるということになります。

時代が資本主義的になっていること、資本主義社会における利益の源泉が他との差異によってもたらされることを考えると、現代社会において優位性を保つためには、短所を補って他と均一化するよりも、長所を伸ばして差別化する方が時代に合っているのでしょう。

そのような意味において、本書で述べられていることは時代に流れに沿っていると言えます。本書の日本語訳が出た約7年前よりも、7年近くになる最近の方がより本書の内容が参考になるので、再び見直されているのは不思議ではありません。

自分についてウェブサイトで行った結果、以下のように出ました。ちなみにKTさんが予想された私の資質は「収集心」と「学習欲」でした。大当たりでしたね!

収集心

「あなたは知りたがり屋です。あなたは物を収集します。あなたが収集するのは情報――言葉、事実、書籍、引用文――かもしれません。あるいは形のあるもの、例えば切手、野球カード、ぬいぐるみ、包装紙などかもしれません。集めるものが何であれ、あなたはそれに興味を引かれるから集めるのです。そしてあなたのような考え方の人は、いろいろなものに好奇心を覚えるのです。世界は限りなく変化に富んでいて複雑なので、とても刺激的です。・・・以下略」

たしかに本を買って、本と知識を集めていますね。情報を調査することが向いていると書かれています。このブログも本に書かれていることを調査して、その結果を報告しているようなものです。

内省

「あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、縦横無尽に頭を働かせることが好きです。あなたが頭を働かせている方向は、例えば問題を解こうとしているのかもしれないし、アイデアを考え出そうとしているのかもしれないし、あるいは他の人の感情を理解しようとしているのかもしれません。何に集中しているかは、あなたの他の強みによるでしょう。・・・以下略」

この資質を強みとする人の活かし方として、「書籍や記事や企画案などに評価を与えなければならないといいには、この人に読んでもらい、感想を尋ねる。この人はまずまちがいなく活字の虫である。」と書かれています。これもこのブログの内容と一致してます。

学習欲

「あなたは学ぶことが大好きです。あなたが最も関心を持つテーマは、あなたの他の資質や経験によって決まりますが、それが何であれ、あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。内容や結果よりもプロセスこそが、あなたにとっては刺激的なのです。あなたは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することで活気づけられます。・・・以下略」

読書を続けているのは、学習欲の一種です。ブログを書くこと自体でも学習欲が満たされます。これもこのブログの内容と整合性があります。

親密性

「親密性という資質は、あなたの人間関係に対する姿勢を説明します。 簡単に言えば、親密性という資質によって、あなたは既に知っている人々とより深い関係を結ぶ方向に引き寄せられます。あなたは必ずしも未知の人たちと出会うことを避けているわけではありません――事実、知らない人と友人になるスリルを楽しむような他の資質を、あなたは持っているかもしれないのです――しかし、あなたは親しい友人のそばにいてこそ、大きな喜びと力を得るのです。・・・以下略」

これはどちらかというと、本業と関係しているようです。

着想

「あなたは着想に魅力を感じます。では、着想とは何でしょうか? 着想とは、ほとんどの出来事を最もうまく説明できる考え方です。あなたは複雑に見える表面の下に、なぜ物事はそうなっているかを説明する、的確で簡潔な考え方を発見すると嬉しくなります。着想とは結びつきです。あなたのような考え方を持つ人は、いつも結びつきを探しています。見た目には共通点のない現象が、何となく繋がりがありそうだと、あなたは好奇心をかき立てられるのです。・・・以下略」

これはこのブログの内容と関係があります。表面上は関係がないと思われるもののどうしの共通点をなるべく書くようにしています。

自分でテストをやってみた感想としては、かなり当たっているように感じました。以上の5つの資質から、このブログが日々続いている理由が説明できると思います。

個人的には、これら5つ以外の要素が自分に相対的に足りない部分ということで興味深く感じました。あらかじめ自分で自分の結果を予想して、そのズレを分析するのも面白いかもしれません。

本書のテストは、若い方や日々の生活に不全感を強く感じている方が行うとより得るものが大きいかもしれません。人は自分自身のことについて知るのが好きなので、自分自身でやってみたテストの結果については、ほとんどの人が楽しめることでしょう。



investmentbooks at 22:54│Comments(4)TrackBack(1)clip!本--自己啓発 

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この記事へのコメント

1. Posted by KT   2008年08月24日 23:33
要望に応えてくれてありがとうございます。
しかし、今回の結果に驚きました。
bestbookさんは自分と何か同じ臭いを感じていたのですが(笑)、強みの5つ中4個が同じでした。
自分の強みは、収集心、内省、着想、学習欲、指令性です。
順番も似ていますね。(収集心、内省が)
いやー、こんなことってあるんですね!
驚きです。
勝間和代も着想と収集心と学習欲があるようですね。
2. Posted by ikadoku   2008年08月25日 11:32
こんにちは。

このテスト、私も以前やりました。

私の資質は、
戦略性、活発性、指令性、着想、親密性
の5つだったと記憶しています。

私はbestbookさんと同じ本を読んでいることが
多いですが、持っている資質はけっこう違う
ものですね。
3. Posted by ani   2008年08月25日 11:47
4 >人が変わるのは難しいということは9割の真実です。個人のレベルでは、9割の真実として認識しつつ、変われる可能性も否定せずに取っておくのがよいでしょう。

確かにそうですね。

勝間さん推薦の本は読んでみることもあるのですが、まだまだ自分の実力が追い付いておらず、難しいと感じることばかりです。
でも、諦めず読んでますけど。
この本は敬遠していたのですが、一度読んでみるか、という気分になりました。

ちなみに私はwebのテストはやりません。
本当は常に自分がどんな人間であるのか客観的に知っておきたいことは確かなのですが、
なんか今はまだ自己分析をすべき時期ではない気がして。
4. Posted by bestbook   2008年08月25日 23:59
>KTさん

たしかによく似ていますね。KTさんは私のブログをよく読んで下さっているようなので、「類は友を呼ぶ」ということかもしれません。
KTさんの感覚は正しかったですね。それがわかっただけでも今回のテストをやった甲斐があったと思います。


>ikadokuさん

コメントありがとうございます。
5つのうち3つは違いますが、2つは同じということで、結構共通点もあるのではないかと思います。
よく本を読まれているのに、収集心や学習欲が出てこないのが不思議ですが、おそらくそれ以上にその他の資質がお強いのかもしれませんね。セミリタイアできるかどうかの違いでしょうか(笑)。


>aniさん

コメントありがとうございます。
勝間さんご推薦の本はかなり難しい本も含まれていますね。さすが「知的生産」をされているだけあります。
本書はテストを受ける方が楽しめるとは思うのですが、やはりこの種のテストは自分で納得して受けるものだと思います。
ご自身で自己分析をする時期でないと感じておられるのでしたら、おそらくそうなのでしょう。みながテストを受ける必要もないですし、実際このテストを受けている人は日本人のごくわずかです。

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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