2008年09月06日
『現役大学教授Prof.サカキが教える 新・株式投資「必勝」ゼミ』
榊原 正幸著 2008年9月4日発行 1680円(税込)
現役大学教授Prof.サカキが教える 新・株式投資「必勝」ゼミ―大化け割安株 発掘編
数年前にそれぞれ出版されている『現役大学教授がこっそり教える 株式投資「必勝ゼミ」』と『現役大学教授がこっそり教える株式投資「必勝ゼミ」〈第2講〉進化する頭脳―まだまだあった!知られざるお宝発掘法』のシリーズ第3弾です。基本的な考え方は大きく変わりませんが、銘柄の選択基準が少し変化しています。
本書の内容は著者も書かれているように、ややこしいのですが難しくはありません。2010年までの市場予測なども書かれており、一つの相場観として参考になります。
著者の銘柄選択基準で選ばれているものは、1株純資産(BPS)、1株利益(EPS)、自己資本比率、PBR、PERなど基本的なものばかりです。基本的な考え方としては、割安の時に安全性の高い銘柄を買って数年保有し、割高になった時に売るという手法です。
現在は株式市場が冷え込んでおり、割安かどうかはまだ分かりませんが、おそらく割高ではないでしょう。タイミング的に本書が出版された時期はよいと思います。しかしながら、現在は個人投資家は市場から距離を置いており、株式投資の本はあまり売れない時期です。
本書でも著者の分析方法で選ばれた有望銘柄が具体的に紹介されています。株式投資の本で紹介されている銘柄については、市場が冷え切っているときに推奨されている銘柄はリターンが大きくなりやすく、市場が盛り上がっているときに出版されて推奨されている銘柄のリターンは小さくなり安い傾向にあります。
株式市場の仕組みにより、推奨銘柄を載せている本は少ない人に感謝され、多くの人に悪く思われやすいということはあるかもしれません。
数年後に市場の状態がよくなり、本書の銘柄が著者の予測通り大化けしたとします。その時期にさらに続編が出版されることでしょう。そして、その時期にも本の中で銘柄が推奨されることでしょう。その時期に推奨された銘柄のリターンは低くなることが予想されます。
そのような時期には推奨銘柄を載せた本を出さない方がよいのでしょうが、商業的には市場が盛り上がっている時期ほど推奨銘柄が載せられており、過去に実績のあった著者の本は売れるため、新たな本が出版されやすい傾向にあるでしょう。
本書で学ぶべきは銘柄選択の方法です。著者も以下のように書かれています。
「「変わらないお宝情報」というのは、今、どの銘柄が良いのかではなく、「今後もずっと使える指針となる方法論」なのだと確信しています。」
さらに付け加えるとすると、方法論自体も変化するので、方法論を自分で工夫して創り出す力が大事です。
株式投資で重要なのは、投資を続けられなくなるくらい大きなダメージを受けないようにすることです。本書の手法は安全性を重視しているので、一つの考え方として知っておくのは良いでしょう。








