2008年09月15日
『ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層』
竹中 正治著 2008年9月20日発行 714円(税込)
ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書 279)
アマゾンで書影がないので紹介を数日延ばして待っていましたが、いつになるか分からないので紹介することにします。新潮新書の新刊です。本書は著者のアメリカでの4年間にわたる銀行の所長兼エコノミストとしての活動から生まれたエッセイです。
著者の前書きには「本来の分野を超えて政治、文化、宗教まで議論を広げた」と書かれている通り、著者の実体験と思索に基づいて日米の比較において幅広いテーマが論じられています。
本書を読むとアメリカで日本のことは十分に理解されていないことが分かりますが、日本でもアメリカのことをよく理解できていないのでお互い様です。自分の国のことすら理解するのは難しいので、他国のことがよく分からないのは仕方ないのですが、重要なのは分からないなりにも交流を持つことでしょう。
本書においても著者がアメリカで交流を持とうとされている様子が書かれています。かなり積極的な様子が文章から伝わってきます。諸事情により著者が意図しているようには理解されないようですが、それでもコミュニケーションを取ろうとしていることに意味があるように思います。
このような本を書かれているのも、日米の理解を促進する働きがあると思います。本書を読むだけでアメリカを理解したとはもちろん言えませんが、その場の雰囲気が分かるように書かれているため、アメリカを眺める際の視野が広がることはたしかです。
本書はかなり自由な発想をもとに書かれている部分もあるため、すべての見方が正しいわけではないとは思いますが、それだけに面白く読めます。アメリカについてはいくつかのステレオタイプ的な見方がありますが、本書を読むとそれらが必ずしも正しいわけではないことも分かります。
やはり本書で一番しっかりと書かれているのは、著者がエコノミストだけに経済における記述です。統計的なデータの裏付けもありますし、主張に対するプロとしてのこだわりも感じられます。
本書はいろいろな点で幅が広い本ですが、新書という媒体がよく生かされていると思います。








