2008年09月17日

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『富者の集中投資 貧者の分散投資』5

フレデリック・R・コブリック著  岡村 桂訳

2008年10月4日発行  2940円(税込)

富者の集中投資 貧者の分散投資――資金を100倍にする攻撃的資産運用

表紙に「ピーターリンチ激賞!」とあります。ピーターリンチというと、数年かけて10倍になる銘柄を発掘するという成長株投資で有名ですが、本書で解説されているのは10年以上かけて100倍、あるいはさらに長い期間をかけてそれ以上になるような銘柄を発掘し保有を続ける方法です。

本書の著者は30年以上の経験があるファンドマネジャーで、長年かけて体験的に培った投資哲学を本書で惜しみなく開陳されています。ファンドの成績も良かったようで、現在は大企業となった著名企業に長年投資を続けて大化け銘柄を数多く発掘されています。



本書では投資企業を選ぶ際に注意するべき4つの要素をそれぞれの頭文字からBASMと名付けています。

  • Business Model(ビジネスモデル)
  • Assumption(前提)
  • Strategy(戦略)
  • Management(経営陣、経営方針、経営力など)

また投資家が従うべき7つのステップを以下のように挙げています。

  • 知識
  • 忍耐
  • 規律
  • 感情
  • 時間枠(長期的な視野)
  • マーケットタイミング
  • ベンチマーク

BASMと7つのステップをうまく組み合わせると「ビックマネーを得ることができる」としています。本書は400ページ以上ある大著ですが、ほとんどのページはBASMと7つのステップの解説に費やされています。

本書では著者の失敗やそこから学んだ教訓などについても丁寧に解説されており、そのあたりも参考になります。失敗について解説されているのは、著者の自信の表れといえるでしょう。

本書は原書も2006年に出ているので、内容も古くはありません。過去の金融危機の体験などを含んだ相場の長期的な流れについても体験的に書かれているので、現在のマーケットを乗り切る参考にもなると思います。

本書は翻訳書を中心とした投資やトレードの良書を数多く出版しているパンローリング社から出ています。現在の相場環境ではパンローリング社の売上も必ずしも好調ではないと想像するのですが、日本人の投資リテラシーを高めるという重要な役割を担った出版社として発展を続けてもらいたいものです。

本書を読むと株式投資の銘柄発掘法のみならず、その考え方を通じて自国や世界の経済を成長させるために資本を最適に配分させることの重要性についても具体的に理解でき、資本主義のダイナミズムを感じることができます。

株式投資の一番の醍醐味は、やはり世の中の効率を高めて経済を革新的に成長させる原動力となる企業に、初期の頃から投資することにより長期的に成長を共にし、その結果として莫大なリターンを得ることにあると思わされます。

本書は本格的に株式投資と向き合う方々に長く読み継がれる本になるのではないかと思います。



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プロフィール
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都内在住30代。10代より1日1冊のペースで本を読んでいます。以前は文学、哲学、思想、宗教関係の本を読んでいましたが、株式投資をきっかけに、ここ数年はビジネス書などを読み込んでいます。本の知恵によって、世の中が少しでもよくなればと思います。
このブログについて
2006年12月開始。
書店で年2000冊程度に目を通し、約500冊を購入。その中から紹介しています。
1日1冊のペースですが、事情によりお休みすることもあります。
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