2008年10月30日

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『世界シェア95%の男たち IT創成期を勝ち抜いた企業の“光と影”』4

荒井 真成著  2008年11月11日発行  1680円(税込)

世界シェア95%の男たち IT創成期を勝ち抜いた企業の“光と影” (East Press Business)
世界シェア95%の男たち IT創成期を勝ち抜いた企業の“光と影” (East Press Business)

著者は10年くらいIBMに勤務した後、アメリカのシリコンバレーに渡りベンチャー企業の経営に参画された方で、業界では有名な方のようです。

著者が関係した分野は、主として赤外線通信やデータ同期のソフトウェアの分野であり、本書では世界でシェアをほぼ独占する過程が詳しく体験的に描かれています。



本書にあるのはサクセスストーリーであり、当然ながら事業の苦労はあったようですが、基本的には時代の流れにうまく乗って成功した話がほとんどです。あまりにも事業が順調に拡大しているため、読み物としては逆に物足りないと感じる方もいるかもしれません。

事業が順調に拡大したのは、時代の波に乗れたこともありますが、やはり著者を含む経営陣の経営がよかったからでしょう。同じ時代に数多くの企業がありましたが、圧倒的に成功した企業はごくわずかです。

本書を読むとわかるのは、技術を売りにする企業における営業やマーケティングの重要性です。著者が関わっていた企業は、技術の先進性はもちろんのこと、日本法人における日本にカスタマイズされた著者の戦略が奏功したことは、本書を読むとよくわかります。

本書では株価のことは少し出てきますが、財務的なことはあまり書かれていません。そのあたりも個人的には興味があるところなのですが、本書で記述が少ないのは、順調に拡大している企業においては財務は二次的なことであるからかもしれません。

本書で凄いのは、極めて自然に事業が成長している点です。あまりにも成長につての記述が自然であるため、すごいと感じさせないのですが、凄いと感じさせいないよう自然に成長できることが凄いと感じます。

多くの分野で当てはまると思いますが、名人の動作を見るとあまりに自然なため、すぐに真似ができるのではないかと思ってしまいます。ところが、自分が実際にやってみるとまず同じようにできません。

以上に述べたこと以外で本書の記述における自然さに理由があるとすると、本書が著者以外の執筆協力者によってできあがっていることも影響しているのかもしれません。単独で書かれているより、話がスムーズになって角がとれているような印象を受けました。



investmentbooks at 23:53│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--経営 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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