2008年12月07日
『コーヒーとサンドイッチの法則』
竹内 正浩著 2008年12月18日発行 1575円(税込)
コーヒーとサンドイッチの法則
著者:竹内正浩
販売元:東洋経済新報社
発売日:2008-12-05
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著者はお若い方ですが、すでに経営コンサルタントとして仕事をされている方です。著者紹介によると、株の取引やビジネス書の多読もされているようです。著者がどのような方なのかは、著者の以下のページに詳しく書かれています。
本書は著者の処女作のようですが、豊富な読書体験と自らのビジネスやコンサルティングの経験により、ビジネスにおけるさまざま戦略について、有名企業の具体例やオリジナルの寓話を用いて、わかりやすく解説されています。
本書の各章の内容は以下の通りです。
- 忙しいのに、儲からないのはなぜか?---顧客収益性戦略
- 仕事をしなくても、儲ける人がいるのはなぜか?---顧客維持戦略
- 同じ車なのに、グレードが複数あるのはなぜか?---製品ライン戦略
- 喫茶店でサンドイッチを売っているのはなぜか?---範囲の経済戦略
- 保険引受で赤字の保険会社が利益を出すのはなぜか---キャッシュフロー戦略
- なぜ、多くの会社が、よく提携をするのか?---戦略的提携
大企業の例も多いのですが、内容としては中小企業の経営やマーケティングに役立ちそうなことが幅広く述べられています。
ビジネス書を読むと、その本の著者自身が数多くのビジネス書を読まれているかどうかが想像できることがあるのですが、本書の著者は多読されていることが本書からわかります。
著者の見方に加えて、多くのビジネス本のおいしいエッセンスが詰まっているので、本書はふだんビジネス書をあまり読まない方にとって、よりインパクトがあるかもしれません。もちろん、ビジネス書を読まれている方が読んでも参考になると思います。
ビジネス理論の解説や寓話は、簡潔にポイントが押さえられています。しかしながら、やはり心に響いてくるのは、本書では少しだけ語られている著者の実際の経験でした。
著者は身内の借金返済で苦労されたり、株式の勉強をしてハイリターンを挙げるといった経験をされたようですが、これらの話がもっと多いと本書の内容はさらに興味深くなっていたかもしれません。
本書はビジネス理論の解説書なので、ちょっとテーマがずれてしまうので書くことができなかったということもあるのかもしれませんが、経営コンサルタントという仕事の関係上、著者は今後もさまざまな経験をされると思うので、これからの著作も楽しみな方であると思います。
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この記事へのコメント
非常に参考になるご意見をいただけて、うれしいです。ありがとうございました!
本書は最近読んだ本の中では、最も瑞々しさに溢れる本でした。これからの本も楽しみにしています。