2008年12月25日
『どうなる! 日本と世界の経済』
Voice編集部編 2009年1月7日発行 1000円(税込)
どうなる! 日本と世界の経済 (Voice select)
著者:Voice編集部
販売元:PHP研究所
発売日:2008-12-18
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月刊誌『Voice』に今年の5月号から12月号にかけて載せられた14編の論考を加筆・修正して一冊の本としてまとめられたものです。時期的なこともあり、ほとんどの論考が今回の金融危機に関するものです。
本書の論考に載せられている論考を書かれている方々は、経済関係の書籍の世界では、それぞれ有名な方のようです。以下に挙げるそれぞれの論考のタイトルと筆者を眺めれば、見覚えのある名前が多くあると思います。
- 円高なくして成長なし---野口悠紀雄
- 埋蔵金六兆円で好景気に---高橋洋一
- 投資減税で企業のマインドを変えよ---リチャード・クー
- 日本人は日本のためにお金を使うべきだ---ピーター・タスカ
- 日本企業の将来性は買いだ---澤上篤人
- プレミアム商品が勝つ時代---遠藤功
- 利上げが救う「家計の犠牲」---斎藤精一郎
- 日銀は中央銀行たれ---若田部昌澄
- アメリカ国債を処分せよ---三國陽夫
- 日欧経済統合に勝機あり---リシャール・コラス
- 大恐慌は再来するか---安達誠司
- ドル一極支配は壊れている---倉都康行
- 「出口」が見えない米国の金融危機---斎藤精一郎
- 「米国経済崩壊論」は妥当ではない---上野泰也
タイトルからある程度内容が想像できる場合もあると思います。
本書の論考はバラエティに富んでおり、全く正反対のことが書かれているものもあります。たとえば、政策金利については「利上げするべき」「利下げするべき」などです。
本書を読んでもどの考え方が正しいのかという結論は、本からは出せません。判断は読み手に委ねられているようです。そのような意味においては、本書はバランスが取れた本です。
本書の一つの読み方としては、自分が違和感を感じた筆者について、その方の主張がより詳しく書かれている単著を詳しく読むという方法があると思います。
自分が賛成できないということは、考え方に相違があるはずであり、相違があればあるほどその主張から学ぶべきものが多いかもしれません。
現実の経済情勢が展開すると、本書に書かれている論考のどれが正しかったかがわかります。本書を参考にして自分が予想したポジションと現実が異なっていた場合も、その理由を考えることはその後の参考になると思います。
ただし、注意しないといけないのは、当たった主張を過大評価せず、はずれた主張についても過小評価しないことです。将来の現実が確定した状況から振り返ると、当たった主張はもっともらしく思えますし、はずれた主張はそう見えません。
現実はゆらいでいるので、当たってもはずれても確率的なものでしかありません。われわれにできるのは、情報をインプットし、自分で考え、そしてポジションを取り、そして同じことを繰り返してそれを常に修正し続けることだけです。
ポジションと書きましたが、これは相場でのポジションのみならず、人生における一般的な状況すべてに当てはまります。何もしないというのも、何もしないというポジションを取っているので、本当の意味で何もしないということはできません。
自分のお金を定期預金にしたまま何にも投資せずいるつもりでも、結局のところ日本円のポジションを取っていることになるのと同じことです。








