2009年01月31日
『超・投資勉強法─「動乱の時代」に金運を掴む人、掴めない人』
松藤 民輔著 2009年2月5日発行 1680円(税込)
超・投資勉強法──「動乱の時代」に金運を掴む人、掴めない人
著者:松藤 民輔
販売元:講談社
発売日:2009-01-30
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松藤民輔氏の新刊です。タイトルは「投資勉強法」とありますが、勉強法というよりも投資の考え方や心構えについて書かれている本です。金や日本に対する長期的な強気予測は相変わらずです。
現在は「100年に1度の金融」であり、「100年に1度の大チャンス」であるとされています。本書の各章のタイトルにその主張の雰囲気がよく出ています。
- これまでの金融知識や投資法はもう通用しない
- いまからが個人が底値で拾える千載一遇の大チャンス
- 見えないトレンドを見抜く、松藤流10種の「透具」
- 蛇口の水一滴から黄金を掴む方法
- 投資力を鍛える---3ヵ月で3倍に増やすゲーム
個人的には松藤氏の著作は好きなのですが、理屈だけでは理解できないようなことも書かれているので、好き嫌いが分かれるところかもしれません。
第3章の「松藤流10種の「透具」」というのは、10種類のさまざまな指標についてチャートを用いて解説されているものです。一応理屈はありますが、最終的な結論は直感的に統合されているように思います。
マーケットは参加者の判断を織り込んでいますが、理性だけでなくそれ以外の部分も反映しています。なぜなら、マーケットは人間の判断の総体ですが、個々の人間の判断は非理性的な部分が多く存在するからです。
ファイナンス理論のみでの投資が完全でないのは、ファイナンス理論は人間の非理性的な部分を考慮していないためです。本書は非理性的な部分がありますが、だからといって参考にならないわけではないのは、上記のような理由からです。
本書の最後に「投資に必ず役立つ松藤流金言集」とありますが、それら30ヵ条のうちからいくつかを引用すると、著者が直感を重視されていることが分かります。
- いい漁師には海鳴りが聞こえる
- いい漁師には潮目が見える
- 起きたことには必ず意味がある
- 運の強い人がいちばん偉い
そして最後に「投資力を鍛える19の参考文献」とありますが、一般的に推奨されるような本に混じって以下のような本もあります。
本書からは進化生物論的な男女論がどのように投資力と関係するかについては分かりませんが、男女関係と投資に共通部分が多いとは思います。
観音経の方は本としてではなく、お経自体を挙げられています。理性を超越している部分が著者に存在することをよく表しています。
人間の理性で捉えきれない部分を無視して投資をするのは、理性だけで恋愛をするようなものです。非合理性がそれぞれの本質的な部分を形成するからです。理性的な部分と非理性的な部分を調和・統合させたところに大きなリターンがあるように思います。