2009年03月27日

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『新社会人に効く日本経済入門』4

原田 泰+大和総研著  2009年3月30日発行  1000円(税込)

新社会人に効く日本経済入門 (Mainichi Business Books)新社会人に効く日本経済入門 (Mainichi Business Books)
著者:原田 泰 + 大和総研
販売元:毎日新聞社
発売日:2009-03-27
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本書は一年間に渡り『週刊エコノミスト』に連載されていた「俗論解剖」の記事を基に加筆・編集されたもののようです。タイトルに「新社会人に効く」とありますが、このタイトルは出版された時期の影響があるようです。

本書は日本経済の入門書というよりも、一般的に話題になっている時事的な経済問題をより一歩突っ込んだ視点から見直すという内容です。少しひねりが加わっているので、ある程度は元になる知識がある方が面白く読めると思います。



本書は大きく二部に分かれており、それぞれ「日本経済を読む」「世界経済を読む」となっています。日本経済については最近話題になっている金融危機、雇用問題、財政問題、エネルギー問題などが幅広く扱われています。世界経済の方は、新興国についての話題が豊富です。

本書は雑誌の連載が元になっているので、一つ一つのトピックの分量が少なく、読み切りになっているので、読み切り形式で読みやすいのですが、必ずしもやさしい内容ばかりではありません。本書を最も面白く読めるのは、普段からある程度経済に関心がある方でしょう。

本書の著者は最近出た以下の本と同じです。

世界経済同時危機―グローバル不況の実態と行方
世界経済同時危機―グローバル不況の実態と行方
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上記の本を読まれた方は、本書の内容についてイメージがつきやすいと思います。定量的なデータによる充実した分析が豊富であり、一歩突っ込んだ考察があるのが似ています。

細かいトピックスに分かれているので、本書のような本は全体の内容を紹介するのは難しいのですが、いくつか興味深い考察を紹介します。

  • 社会の高齢化にしたがって格差が大きくなるのは、個人の才能と努力と運の結果が積み重なるので、仕方ないかもしれない。
  • 日本における株式や投信の貯蓄残高に占める保有比率は、所得水準に関係なく高まっている。富裕層でなくても株式投資にシフトしているかもしれない。
  • 日本の不動産バブルと、今回のアメリカの不動産バブルを比べると、日本は企業がバブルに踊り、アメリカは個人がバブルに踊った。企業が損失を負うより、個人が負った方が社会的なダメージは少ないかもしれない。

本書が「効く」のは、普段からある程度経済問題に興味があり、テレビや新聞の記事などを読んでさらに理解を深めたい方です。本書は経済問題への理解を深めてくれますが、経済問題に馴染みのない新社会人にはちょっと難しいと思います。



investmentbooks at 23:52│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--日本経済 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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