2009年04月02日

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『決弾 最適解を見つける思考の技術』4

小飼 弾/山路 達也著  2009年4月2日発行  1500円(税込)

決弾 最適解を見つける思考の技術決弾 最適解を見つける思考の技術
著者:小飼 弾
販売元:アスペクト
発売日:2009-03-23
おすすめ度:3.5
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昨日の記事に引き続き小飼弾さんの新刊です。これら2冊はほぼ同じ時期に発売されていますが、スタイルが異なります。本書は人生相談の質疑応答の形を取っています。

昨日の本はパブリック版、今日の本はプライベート版とでも言えるかもしれません。書店で目立つのは昨日の本ですが、個人的には今日の本の方が好みです。



人生相談のテーマは以下のように章ごとに分類されています。最初に「決弾」の章があり、決断がテーマになっています。

  1. 男女
  2. 親交
  3. 楽習
  4. 仕事
  5. 育児
  6. 人生

ほとんどの人にとって生きていく上で重要なテーマが網羅されています。各章の分量にばらつきがありますが、著者の問題意識の重要度を表しているのかもしれません。

最後に勝間和代さんとの対談があったり、各章のテーマに関連した参考図書があったりと、盛りだくさんの内容です。

本書のような人生相談の本は、いろいろな読み方があると思います。

まずは、自分が悩んでいる問題の解決法探すということがあります。本書では人生の多くの場面に遭遇する問題が取り扱われており、悩みがない人はほとんどいないので、多くの人は自分のなんらかの悩みの回答を、本書に見いだすことができるでしょう。

次に、自分ならどう答えるかを考えながら読むという読み方があります。一つ一つの質問に重みがあるので、そのように読むにはエネルギーが要りますが、自分で考えながら読むと、得るところが大きいように思います。自分と違う回答ほど参考になるはずです。

さらには、著者のブログを読まれている方であれば、著者の答えを予想しながら読むという読み方もあります。これも、自分が予想した著者の回答と違いがあるほど楽しめると思います。

さまざまな質問に対する著者の回答は鋭いものが多く、読むだけで勉強になりますが、本書を読むことの意義は、回答の内容を身につけることではなく、そのスタイルを身につけることであると思います。

普通はなかなか著者のように最適な「決弾」できないと思いますが、決断については最適であることよりも、自分で決断することに意味があります。たとえ最適でなくても、最適でないことがその人にとっての最適さをもたらすことがあります。

なぜなら、決断の意義は最適な結論を出すというよりも、自分が責任をとって主体的に行動することにあるからです。

人生における諸問題の意義は、その問題と主体的に関わることにより、最終的にその問題をより高いレベルから眺めることができるようになるためです。そう考えると重要なのは成功するか失敗するかではなく、その問題と主体的に関わるかどうかです。

本書にあるような問題について、著者のようにスマートな「決弾」はなかなかすぐにはできませんが、決断はできます。決断とは「正しい」答えを出すことではなく、主体的に答えを出すことです。

主体性は正しさとは関係ありません。正しい答えが分からなくても決断はできますし、正しい答えを得てから決断しようとするといつまで経っても決断できません。正しい答えが得られたから決断するのではなく、決断するからこそ正しい答えが得られるようになるというのが順序のようです。



investmentbooks at 23:58│Comments(2)TrackBack(1)clip!本--人生指南 

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1. アルファブロガー小飼弾は、どう『決弾』してきたのか?  [ binWord/blog ]   2009年04月03日 08:10
ブログ上で悩める人たちの唱える魔法の言葉「教えて!ダンコーガイ」。すると、小飼弾...

この記事へのコメント

1. Posted by hiro   2009年04月04日 01:15
bestbookさん
こんばんは!

>正しい答えが得られたから決断するのではなく、決断するからこそ正しい答えが得られるようになるというのが順序のようです。

まさにそうなんですよね。
実際に答えを得ようとしてしまってしまう部分が多いですが、決断するからこそ答えになっていくのかもしれないですね。
2. Posted by bestbook   2009年04月04日 22:24
hiroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

人生において決断するということは、背丈以上の高さの草が生えている草むらを鎌で刈りながら進んでいくようなイメージですね。とりあえず刈らないと道ができません。

言葉で表現することも、決断と似ています。言葉で世界をありのままに表現することはできませんが、誤って表現することを恐れていては表現ができなくなってしまいます。

同意いただきありがとうございます。

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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